電気主任技術者について
電気主任技術者って何?
電気設備を設けている事業者は、工事・保守や運用などの保安監督者として、電気主任技術者を専任しなければならないことが法令で定められています。
つまり、電気主任技術者は、工場やビルなどの電気設備に関する工事・保守、運用などの保安監督者として従事します。
<電気事業法 第43条>
事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、主務省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。
電気工作物とは?
電気工作物とは、電気を供給するための発電所、変電所、送配電線路をはじめ、工場、ビル、住宅等の受電設備、屋内配線、電気使用設備などの総称をいいます。
<電気事業法 第2条>
18 電気工作物 発電、蓄電、変電、送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械、器具、ダム、水路、貯水池、電線路その他の工作物(船舶、車両又は航空機に設置されるものその他の政令で定めるものを除く。)をいう。
電気工作物の種類
一般電気工作物
主に一般住宅や小規模な店舗、事業所などのように、他の者から低圧(600 ボルト以下)の電圧で受電している場所等の電気工作物をいいます。
例えば、一般家庭、商店、コンビニ、小規模事務所等の屋内配線、一般家庭用太陽光発電などが挙げられます。
<電気事業法 第38条 1項>
この法律において「一般用電気工作物」とは、次に掲げる電気工作物をいう。ただし、小出力発電設備(経済産業省令で定める電圧以下の電気の発電用の電気工作物であつて、経済産業省令で定めるものをいう。以下この項、第106条第7項及び第107条第5項において同じ。)以外の発電用の電気工作物と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。以下同じ。)に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であつて、経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。
1 他の者から経済産業省令で定める電圧以下の電圧で受電し、その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する小出力発電設備を含む。)であつて、その受電のための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
2 構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に、かつ、電気的に接続して設置する電気を使用するための電気工作物を含む。)であつて、その発電に係る電気を前号の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の者がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
3 前2号に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
事業用電気工作物
「一般用電気工作物」以外の電気工作物をいいます。
例えば、電力会社や工場などの発電所、変電所、送電線、配電線、需要設備などが挙げられます。
<電気事業法 第38条 2項>
この法律において「事業用電気工作物」とは、一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
自家用電気工作物
事業用電気工作物であって、「電気事業(一定規模以下の発電事業を除く)の用に供する電気工作物」以外の例えば工場やビルなどのように電気事業者から高圧以上の電圧で受電している事業所等の電気工作物(需要設備等)をいいます。
例えば、発電所、変電所、送電線、配電線、工場・ビルなどの600Vを超えて受電する需要設備などが挙げられます。
<電気事業法 第38条 3項>
この法律において「自家用電気工作物」とは、次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。
1 一般送配電事業
2 送電事業
3 配電事業
4 特定送配電事業
5 発電事業であつて、その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの
電気主任技術者の種類
取り扱うことができる電圧によって、第一種から第三種までの3種類があります。
第一種電気主任技術者
すべての事業用電気工作物を取り扱うことができます。
第二種電気主任技術者
電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物を取り扱うことができます。
第三種電気主任技術者
電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物を取り扱うことができます。ただし、出力が5千キロワット以上の発電所を除きます。
電気主任技術者になるには?
電気技術者試験センターが実施する「電気主任技術者試験」を受験・合格することで、電気主任技術者になることができます。
なお、第三種電気主任技術者試験は1次試験(マークシート)のみですが、第一種・第二種電気主任技術者試験は1次試験(マークシート)と2次試験(記述式)があります。
電気主任技術者 第一次試験
理論、電力、機械、法規の4科目があります。合格点は毎年変化しますが、概ね60点以上です。
なお、機械は55点以下の合格点が続いていましたが、近年では60点の合格点の年もあります。
科目合格が可能で、有効期限は3年になります。
第三種電気主任技術者試験の場合、
1年目:理論・電力に合格
2年目:機械に合格
3年目:法規に合格
でも資格を取得することができます。
※第一種、第二種は2次試験も合格しないと資格を取得ることができませんが、科目合格制度はあります。
電気主任技術者 第二次試験(第一種・第二種のみ)
1次試験合格者が受験することができます。電力・管理、機械・制御の2科目があります。
科目合格制度はありませんが、1次試験合格年度に不合格でも、翌年度は1次試験が免除されます。
試験情報
過去問
電気技術者試験センターに掲載されています。