著者は、電気電子部門の技術士です。
そのため、全般的な内容と、電気電子部門をメインに記載しています。
技術士について
技術士って何?
みなさんは「技術士」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
技術士とは、「科学技術に関する専門的応用能力を有し、公益を確保するため高い技術者倫理を備えた、優れた技術者」のことを言います。
そして、文部科学省所管の国家試験(通称:技術士試験)に合格し、技術士会に登録しなければ名乗ることができません。
平たく言えば、
・科学技術に関する深い専門的な知識と豊富な経験があり、
・公共の利益を確保するために高い倫理観をもっている
技術者のことで、これらを有していることを国が認めてくれています。
なお正式には、技術士法という法律で定められています。
<技術士法 第2条>
この法律において「技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術(人文科学のみに係るものを除く。以下同じ。)に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)を行う者をいう。
技術部門
技術士は専門性に応じて21の技術部門があります。
機械部門 | 船舶・海洋部門 | 航空・宇宙部門 |
電気電子部門 | 化学部門 | 繊維部門 |
金属部門 | 資源工学部門 | 建設部門 |
上下水道部門 | 衛生工学部門 | 農業部門 |
森林部門 | 水産部門 | 経営工学部門 |
情報工学部門 | 応用理学部門 | 生物工学部門 |
環境部門 | 原子力・放射線部門 | 総合技術監理部門 |
技術士の義務・責務
技術士は、次の義務・責務を守るよう、技術士法で定められています。
技術士の義務
<技術士法第44条> 信用失墜行為の禁止
技術士又は技術士補は、技術士若しくは技術士補の信用を傷つけ、又は技術士及び技術士補全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
<技術士法第45条> 技術士等の秘密保持義務
技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。
<技術士法第46条> 技術士の名称表示の場合の義務
技術士は、その業務に関して技術士の名称を表示するときは、その登録を受けた技術部門を明示してするものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならない。
技術士の責務
<技術士法第45条の2> 技術士等の公益確保の責務
技術士又は技術士補は、その業務を行うに当たつては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない。
<技術士法第47条の2> 技術士の資質向上の責務
技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならない。
罰則
技術士等の秘密保持義務に違反すると、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
それ以外の義務・責務に違反すると、技術士の登録を取り消し、又は2年以内の「技術士」の名称使用の禁止となります。
技術士になるには?
技術士第一次試験(技術士補試験)を受験
年齢・学齢・業務経験等による制限は一切ありませんので、どなたでも受験できます。
基礎科目、適正科目、専門科目の3科目があり、各科目とも50%以上の得点で合格できます。
技術士第1次試験の過去問はこちら
技術士第一次試験に合格
技術士第一次試験に合格すると「修習技術者」となります。
また、技術士会に登録することで、「技術士補」となります。
※技術士補の登録を受けるためには、指導する技術士が必要になります。
なお、指定された教育課程(JABEE)を修了した場合、技術士第1次試験を受験しなくても技術士1次試験の合格と同等として扱われます。
JABEE認定校はこちら
修習技術者(または技術士補)として業務経験
修習技術者は、次の3つの経路のうちいずれか1つの業務経験を積んで、技術士第2次試験(技術士試験)の受験資格を得ることになります。
経路①
技術士補として、4年を超える期間、技術士を補助する。
経路②
科学技術に関する業務※に7年を超える期間従事している監督者(勤務先の上司など)の下で、当該業務に4年を超える期間従事する。
経路③
科学技術に関する業務※に7年を超える期間従事する。 (修習技術者となる前の期間も含む。監督者の有無は問わない。)
※科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く。)又はこれらに関する指導の業務のことをいいます。
なお、経路①〜③のいずれにおいても、学校教育法における大学院修士課程(理系系統のものに限る。)若しくは専門職学位課程(理系系統のものに限る。)を修了し、又は博士課程(理系系統のものに限る。)に在学し、若しくは在学していた者にあっては、2年を限度として、当該期間からその在学した期間を減じた期間とすることができます。
経路①の期間と経路②の期間を合算して、通算4年を超える実務経験でも第2次試験を受験できます。
また、総合技術監理部門を受験する場合の業務経験は、経路①〜③に示した期間に更に3年が必要になります。
技術士第二次試験(技術士試験)を受験
経路①〜経路③のうちいずれか1つの業務経験を満たせば、技術士第2次試験を受験することができます。
なお、技術士第一次試験で合格した技術部門以外の技術部門で技術士第2次試験を受験することもできます。
例:技術士第一次試験は機械部門で受験、技術士第二次試験は電気電子部門で受験することができます。
技術士第二次試験に合格
技術士第二次試験に合格した方は、「技術士」となる資格を有することになります。
注:この時点では、まだ「技術士」と名乗ることができません。STEP6を終えて初めて「技術士」と名乗ることができます。
技術士登録
日本技術士会に登録の申請を行います。
登録手続きが完了すると、「技術士」となります。
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)
技術士資格の国際的通用性を確保する観点から、国際エンジニアリング連合(IEA)の「専門職として身に付けるべき知識・能力」(PC)を踏まえ、「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」(科学技術・学術審議会及び技術士分科会、平成26年3月7日、改訂:令和5年1月25日)が策定されました。
改定後のコンピテンシーの原文はこちらからご確認ください。
前文
技術の高度化、統合化や経済社会のグローバル化等に伴い、技術者に求められる資質能力はますます高度化、多様化し、国際的な同等性を備えることも重要になっている。
技術者が業務を履行するために、技術ごとの専門的な業務の性格・内容、業務上の立場は様々であるものの、(遅くとも)35 歳程度の技術者が、技術士資格の取得を通じて、実務経験に基づく専門的学識及び高等の専門的応用能力を有し、かつ、豊かな創造性を持って複合的な問題を明確にして解決できる技術者(技術士)として活躍することが期待される。
技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)については、国際エンジニアリング連合(IEA)が定める「修了生としての知識・能力(GA; Graduate Attributes)と専門職としてのコンピテンシー(PC; Professional Competencies)」に準拠することが求められている。
2021年6月に IEAにより「GA&PCの改訂(第 4 版)」が行われ、国際連合による持続可能な開発目標(SDGs)や多様性、包摂性等、より複雑性を増す世界の動向への対応や、データ・情報技術、新興技術の活用やイノベーションへの対応等が新たに盛り込まれた。
技術士制度においては、IEAのGA&PCも踏まえ技術士試験やCPD(継続研さん)制度の見直し等を通じ、我が国の技術士が国際的にも通用し活躍できる資格となるよう不断の制度改革を進めている。
このたびの「GA&PCの改訂(第 4 版)」を踏まえた「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」をキーワードに挙げて以下に示す。
これらは、SDGsの達成やSociety5.0 の実現に向けた科学技術・イノベーションの推進において更に大きな役割を果たすため、技術士であれば最低限備えるべき資質能力であり、今後も本分科会における制度検討を通じて、技術士制度に反映していくことが求められる。
専門的学術
・技術士が専門とする技術分野(技術部門)の業務に必要な、技術部門全般にわたる専門知識及び選択科目に関する専門知識を理解し応用すること。
・技術士の業務に必要な、我が国固有の法令等の制度及び社会・自然条件等に関する専門知識を理解し応用すること。
問題解決
・業務遂行上直面する複合的な問題に対して、これらの内容を明確にし、必要に応じてデータ・情報技術を活用して定義し、調査し、これらの背景に潜在する問題発生要因や制約要因を抽出し分析すること。
・複合的な問題に関して、多角的な視点を考慮し、ステークホルダーの意見を取り入れながら、相反する要求事項(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)、それらによって及ぼされる影響の重要度を考慮した上で、複数の選択肢を提起し、これらを踏まえた解決策を合理的に提案し、又は改善すること。
マネジメント
・業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
評価
・業務遂行上の各段階における結果、最終的に得られる成果やその波及効果を評価し、次段階や別の業務の改善に資すること。
コミュニケーション
・業務履行上、情報技術を活用し、口頭や文書等の方法を通じて、雇用者、上司や同僚、クライアントやユーザー等多様な関係者との間で、明確かつ包摂的な意思疎通を図り、協働すること。
・海外における業務に携わる際は、一定の語学力による業務上必要な意思疎通に加え、現地の社会的文化的多様性を理解し関係者との間で可能な限り協調すること。
リーダーシップ
・業務遂行にあたり、明確なデザインと現場感覚を持ち、多様な関係者の利害等を調整し取りまとめることに努めること。
・海外における業務に携わる際は、多様な価値観や能力を有する現地関係者とともに、プロジェクト等の事業や業務の遂行に努めること。
技術者倫理
・業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、経済及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代にわたる社会の持続可能な成果の達成を目指し、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
・業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守し、文化的価値を尊重すること。
・業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。
継続研さん
・CPD 活動を行い、コンピテンシーを維持・向上させ、新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力を高めること。
技術士倫理綱領
技術士倫理綱領は昭和36年3月に制定され、平成11年、平成23年の改訂を経て、現在は2023年3月の改訂版が最新です。
技術士倫理綱領は、技術士が備えておくべき倫理の内容を明記しているほか、必須科目Ⅰ(4)の設問に対するポイントにもなります。
また、口頭試験では、諮問事項として「技術士としての適格性」の中に、技術者倫理があります。
試験を通じて、技術士が備えておくべき倫理とは何か、学んでおきましょう。
なお、技術士倫理綱領の原文はこちらからご確認ください。
前文
技術士は、科学技術の利用が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して安全で持続可能な社会の実現など、公益の確保に貢献する。
技術士は、広く信頼を得てその使命を全うするため、本倫理綱領を遵守し、品位の向上と技術の研鑚に努め、多角的・国際的な視点に立ちつつ、公正・誠実を旨として自律的に行動する。
安全・健康・福利の優先
1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先する。
(1)技術士は、業務において、公衆の安全、健康及び福利を守ることを最優先に対処する。
(2)技術士は、業務の履行が公衆の安全、健康や福利を損なう可能性がある場合には、適切にリスクを評価し、履行の妥当性を客観的に検証する。
(3)技術士は、業務の履行により公衆の安全、健康や福利が損なわれると判断した場合には、関係者に代替案を提案し、適切な解決を図る。
持続可能な社会の実現
2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたって持続可能な社会の実現に貢献する。
(1)技術士は、持続可能な社会の実現に向けて解決すべき環境・経済・社会の諸課題に積極的に取り組む。
(2)技術士は、業務の履行が環境・経済・社会に与える負の影響を可能な限り低減する。
信用の保持
3.技術士は、品位の向上、信用の保持に努め、専門職にふさわしく行動する。
(1)技術士は、技術士全体の信用や名誉を傷つけることのないよう、自覚して行動する。
(2)技術士は、業務において、欺瞞的、恣意的な行為をしない。
(3)技術士は、利害関係者との間で契約に基づく報酬以外の利益を授受しない。
有能性の重視
4.技術士は、自分や協業者の力量が及ぶ範囲で確信の持てる業務に携わる。
(1)技術士は、その名称を表示するときは、登録を受けた技術部門を明示する。
(2)技術士は、いかなる業務でも、事前に必要な調査、学習、研究を行う。
(3)技術士は、業務の履行に必要な場合、適切な力量を有する他の技術士や専門家の助力・協業を求める。
真実性の確保
5.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的で事実に基づいた情報を用いて行う。
(1)技術士は、雇用者又は依頼者に対して、業務の実施内容・結果を的確に説明する。
(2)技術士は、論文、報告書、発表等で成果を報告する際に、捏造・改ざん・盗用や誇張した表現等をしない。
(3)技術士は、技術的な問題の議論に際し、専門的な見識の範囲で適切に意見を表明する。
公正かつ誠実な履行
6.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。
(1)技術士は、履行している業務の目的、実施計画、進捗、想定される結果等について、適宜説明するとともに応分の責任をもつ。
(2)技術士は、業務の履行に当たり、法令はもとより、契約事項、組織内規則を遵守する。
(3)技術士は、業務の履行において予想される利益相反の事態については、回避に努めるとともに、関係者にその情報を開示、説明する。
秘密情報の保護
7.技術士は、業務上知り得た秘密情報を適切に管理し、定められた範囲でのみ使用する。
(1)技術士は、業務上知り得た秘密情報を、漏洩や改ざん等が生じないよう、適切に管理する。
(2)技術士は、これらの秘密情報を法令及び契約に定められた範囲でのみ使用し、正当な理由なく開示又は転用しない。
法令等の遵守
8.技術士は、業務に関わる国・地域の法令等を遵守し、文化を尊重する。
(1)技術士は、業務に関わる国・地域の法令や各種基準・規格、及び国際条約や議定書、国際規格等を遵守する。
(2)技術士は、業務に関わる国・地域の社会慣行、生活様式、宗教等の文化を尊重する。
相互の尊重
9.技術士は、業務上の関係者と相互に信頼し、相手の立場を尊重して協力する。
(1)技術士は、共に働く者の安全、健康及び人権を守り、多様性を尊重する。
(2)技術士は、公正かつ自由な競争の維持に努める。
(3)技術士は、他の技術士又は技術者の名誉を傷つけ、業務上の権利を侵害したり、業務を妨げたりしない。
継続研鑽と人材育成
10.技術士は、専門分野の力量及び技術と社会が接する領域の知識を常に高めるとともに、人材育成に努める。
(1)技術士は、常に新しい情報に接し、専門分野に係る知識、及び資質能力を向上させる。
(2)技術士は、専門分野以外の領域に対する理解を深め、専門分野の拡張、視野の拡大を図る。
(3)技術士は、社会に貢献する技術者の育成に努める。
技術士プロフェッション宣言
技術士プロフェッション宣言は、平成19年に制定されました。
技術士に求められる行動原則、相互に協力して資質の保持・向上、自立的な規範について記載されています。
なお、技術士プロフェッション宣言の原文はこちらからご確認ください。
前文
われわれ技術士は、国家資格を有するプロフェッションにふさわしい者として、一人ひとりがここに定めた行動原則を守るとともに、社団法人日本技術士会に所属し、互いに協力して資質の保持・向上を図り、自律的な規範に従う。
これにより、社会からの信頼を高め、産業の健全な発展ならびに人々の幸せな生活の実現のために、貢献することを宣言する。
本文
技術士の行動原則
1.高度な専門技術者にふさわしい知識と能力を持ち、技術進歩に応じてたえずこれを向上させ、自らの技術に対して責任を持つ。
2.顧客の業務内容、品質などに関する要求内容について、課せられた守秘義務を順守しつつ、業務に誠実に取り組み、顧客に対して責任を持つ。
3.業務履行にあたりそれが社会や環境に与える影響を十分に考慮し、これに適切に対処し、人々の安全、福祉などの公益をそこなうことのないよう、社会に対して責任を持つ。
プロフェッションの概念
1.教育と経験により培われた高度の専門知識及びその応用能力を持つ。
2.厳格な職業倫理を備える。
3.広い視野で公益を確保する。
4.職業資格を持ち、その職能を発揮できる専門職団体に所属する。
技術士ビジョン21
技術士ビジョン21は、平成16年に日本技術士会から発表されました。
21世紀の技術士像の明確化、技術士の職業的位置づけ、技術士の義務・責任、自己責任の原則について記載されています。
なお、技術士ビジョン21の原文はこちらからご確認ください。
1.科学技術創造立国と技術士の役割
(1)21世紀の国の姿と技術士像
(2)科学技術基本法と技術士の位置づけ
(3)技術士の職域における役割
(4)技術士に求められる基本的要件
2.職域別の技術士の位置づけ
(1)職業的位置づけ
(2)職域毎の技術士
1)独立したコンサルタントとしての技術士
2)企業内技術者としての技術士
3)公務員技術者としての技術士
4)教育・研究者としての技術士
5)知的財産評価者等としての技術士
6)その他の職域で活躍する技術士
3.技術士の義務と責任
(1)公益確保等の社会的役割に対する責務
(2)技術士の資質向上への責務(CPD)
(3)技術士の国際的責務
4.日本技術士会の役割と課題
(1)日本技術士会の役割
(2)技術士の活用の推進と普及
(3)CPD(継続研鑚)システムの活用
(4)制度等の充実と改善
(5)日本技術士会の運営のあり方
(6)会員組織率向上に向けた行動
APECエンジニア
概要
APECエンジニアは、技術者が国境を越えて活躍することを支援するためにあります。
APEC に加盟する14の国と地域で、実務経験などが一定レベルと認められる技術者にAPECエリア内で共通の称号を与え、技術者が国境を越えて活躍できる制度のことをいいます。
要件
APECエンジニアになるには、以下の7つの要件を全て満たし、日本技術士会の審査を受ける必要があります。
1.定められた学歴要件を満たすこと
2.IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3.エンジニアリング課程終了後7年間以上の実務経験を有していること
4.少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5.継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6.業務の履行に当り倫理的に行動すること
7.プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
技術士がAPECエンジニアとして登録するための基準
技術士がAPECエンジニアとして登録を受けるための基準は、以下の通りです。
1.認定され又は承認されたエンジニアリング教育課程を修了していること、もしくは、それと同等と認められること*1。
2−1.「技術士に求められる資質能力」に照らして自己の判断で業務を遂行する能力をもつと認められること。
2−2. 技術士として有効に登録されていること。
3.エンジニアリング課程修了後 7 年間以上のエンジニアリング業務の経験を有していること。
4.2 年間以上の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること。
5.継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること。
6.業務の履行に当り日本技術士会の定める「技術士倫理綱領」及び、海外業務に従事する場合は、当該国の倫理規程を順守して倫理的に行動することに同意すること。
7.自分の行った活動に対し、責任をとることに同意すること。
*1 エンジニアリング教育課程について
原則として、次の①、②のいずれかをいいます。
①日本技術者教育認定機構(JABEE)の認定した大学、工業高等専門学校専攻科、大学院修士課程等のエンジニアリング課程の終了者
②大学のエンジニアリング課程を卒業し、かつ、技術士第一次試験に合格した者
なお、①、②のいずれにも該当しない申請者の場合、モニタリング委員会が別に定める方法により審査を受けることが出来ます。
(この場合、申請前に日本技術士会事務局に問い合わせをする必要があります。)
例1:大学のエンジニアリング課程は卒業しているが、平成14年度以前に技術士第一次試験の合格を経ずに第二次試験に合格している場合
例2:高校普通科、工業高校や、理系以外の大学卒業等の学歴を有する方で、平成14年度以前に、技術士第一次試験の合格を経ずに第二次試験に合格している場合
例3:技術士第一次試験合格を経て第二次試験に合格しているが、大学若しくは高等専門学校専攻科等これと同等と認められているもののエンジニアリング課程修了の学歴を有していない場合
IPEA国際エンジニア
概要
IPEA国際エンジニアも、技術者が国境を越えて活躍することを支援するためにあります。
国際エンジニア協定に加盟している 19の国と地域における民間ベースの国際的な技術者団体のことをいいます。
一定の基準を満たす技術者を、国際エンジニア登録簿に登録し、技術者の国際的な活動を促進する制度です。
要件
IPEA国際エンジニアになるには、以下の7つの要件を全て満たし、日本技術士会の審査を受ける必要があります。
APECエンジニアの要件と似ていますが、エンジニアリング課程と技術分野についての取り扱いが異なります。
1.ワシントンアコード認定*1またはそれと同等のエンジニアリング課程を修了していること
2.IEAが標準として示す「エンジニアとしての知識・能力(International Engineering Alliance competency profile for engineers)」に照らし、自己の判断で業務を遂行する能力があると認められること
3.エンジニアリング課程終了後7年間以上の実務経験を有していること
4.少なくとも2年間の重要なエンジニアリング業務の責任ある立場での経験を有していること
5.継続的な専門能力開発を満足できるレベルで実施していること
6.業務の履行に当り倫理的に行動すること
7.プロフェッショナル・エンジニアとして行った活動及び決定に対し責任をもつこと
なお、技術士がIPEA国際エンジニアとして登録するための基準は、APECエンジニアの登録基準と同じです。
*1ワシントンアコード認定について
エンジニアに関する教育制度のことをいいます。
他の加盟団体が認定した技術者教育プログラムの修了者に対し、自国の認定機関が認定したプログラム修了者と同様に扱う制度のことです。
試験情報
過去問
日本技術士会のホームページに掲載されています。
試験対策
技術士第2次試験は、大きく分けて3ステップに分けられます。
まずは、技術士試験の全体像を把握しましょう。
受験申込書の対策
実務経験申込書は、口頭試験の審査材料として使用されます。
特に「業務内容の詳細」が重要になります。単なる受験申込書と思わず、念入りに準備をしましょう。
筆記試験の対策
実務経験証明書の作成が終わると、筆記試験対策になります。
キーワード学習、論文の書き方(作法)を中心に勉強していきます。
口頭試験の対策
筆記試験に合格すると、口頭試験を受験します。
口頭試験の合格率は80〜90%以上と高いものの、何も対策をしないと不合格になります。
経歴書の見直し、最近の技術的話題、技術士制度など、人に説明できるように勉強します。
合格率
各年度、各部門ごとに、受験申込者数、受験者数、合格者数(筆記)、合格率(筆記)、合格者数(最終)、合格率(最終)をまとめています。
筆記試験の合格者数・率は技術士試験部会から、最終(口頭試験)の合格者数・率は日本技術士会のホームページから引用しています。
筆記試験の合格者数・率と最終の合格者数・率が別々のPDFで公開されているので、1つにまとめました。
役立つサイト
公的機関
日本技術士会
受験する前には必ず確認しましょう。
合格後も、技術士登録、CPD、セミナー参加など色々お世話になるサイトです。
日本技術者教育認定機構(JABEE)
技術者を育成する教育プログラムを「技術者に必要な知識と能力」「社会の要求水準」などの観点から審査し、認定する組織。
認定プログラムの修了生は、国家資格である技術士の第一次試験が免除されます。
修了した大学・学部が認定されているか確認してみましょう。
試験部会(文部科学省)
翌年度の技術士試験の方針、総合技術監理部門のキーワード集などが公開されています。
最新の総合技術監理部門キーワード集は、技術士会のホームページに掲載されないので、ここから確認するしかありません。
(キーワード集は、毎年、微妙に更新されています)
大手のスクール講師は毎年必ずチェックして情報収集をしています。
白書
政府が発表している各種白書。
最近のトレンドが記載されており、試験問題のテーマになることも多々あります。
ホームページ、ブログなど
技術士合格への道しるべ
現役の技術士(金属部門)が、技術士試験対策を発信しているブログです。
技術士一次試験対策では、科目ごとの対策や、合格するまでの一連の流れが紹介されています。
技術士二次試験対策では、論文の書き方が具体的に紹介されており、模範解答例、口頭試験対策も掲載されているので、独学で勉強する際に非常に参考になります。
ほか、技術士合格後の活動、コラム、技術情報などもあり。
SUKIYAKI塾
技術士試験対策の老舗サイト。
一次試験、二次試験対策のほか、合格体験談や解答事例集もあり。
総合技術監理部門では、総監100本ノックを提供しており、スキマ時間の勉強に役立ちます。
多くの受験生が一度はお世話になるサイトです。
また、合格後は講師登録を行い、活躍することもできます。
セミナー関連
STUDYing
アガルートアカデミー
新技術開発センター
経歴書〜筆記試験対策で4講座、口頭試験対策で2講座あります。
オンライン講座にも対応しています。
第一次試験・第二次試験(筆記試験・口頭試験)や合格発表に関する最新情報をいち早くお知らせするメールマガジン「技術士ホットニュース」の無料購読お申し込みもできます。
技術士合格への道研究所
マンツーマンの個別指導を行っています。
無制限で添削をしてもらうこともできます。
合格した再現答案も無料で公開中(一部部門・選択科目のみ)。
ほか随時更新します。
おすすめの参考書
全般
独学・過去問で効率的に突破する! 最新版「技術士試験」勉強法
ポイント
・「SUKIYAKI塾」の代表が、一次試験、二次試験から総合技術監理部門まで、各試験の考え方・攻略方法を徹底解説
・一次試験は過去問題とセオリー計算問題で攻略
・二次出願論文に「高度な技術力」は不要
・筆記試験答案・小論文の必殺ワザ「骨子法」
・コンピテンシーに基づく口頭試験の採点ポイント
・総監部門は「管理計画フロー」で整理
…など、技術士試験の合格を確実につかみ取るヒントが満載!
合格する技術論文の書き方
ポイント
・試験問題からキーワードを抽出し、解答論文への論点の絞り込みを行い、文章への展開を具体的に示している。
・毎日行っている業務でも使用できるように、技術報告書や技術提案書、業務日誌など、技術論文などの書き方の要点を示している。
機械部門
技術士第二次試験「機械部門」完全対策&キーワード100
ポイント
・必須科目と選択科目の論文試験対策、そして口頭試験対策までを網羅
・論文作成の助けとなる関連キーワードを100以上紹介
・論文事例、添削事例、キーワード例などが充実の内容
技術士第二次試験「機械部門」過去問題<論文試験たっぷり100問>の要点と万全対策
ポイント
・従来の対策本では、受験する選択科目によっては参考になる問題事例が少ないという課題があったが、本書ではどの選択科目の受験者にとっても「過去の論文試験100問の要点」となるように大量の問題を紹介
・例題として解答論文事例も掲載した決定版
電気電子部門
技術士第二次試験「電気電子部門」論文作成のための必修知識
ポイント
・電気電子部門の論文試験に必要な、多面的な課題を認識するために必要な知識を「試験対策」「キーテーマの解説」「問題分析」によって紹介しています。
・毎年の試験の課題となるキーテーマおよびキーワードには、一定の傾向があります。
・その傾向を問題分析により明らかにし、豊富な資料にもとづき丁寧に解説したものです。
・増補章として選択科目(Ⅲ)の過去問題分析と論文作成アドバイス付
技術士(第一次・第二次)試験「電気電子部門」受験必修テキスト
ポイント
・技術士試験電気電子部門の一次、二次に共通したテキスト
・技術士第一次試験・第二次試験の電気電子部門を受験する際に必要な知識を整理して解説
・強電、弱電の区別なく分野別に紹介した、「電気電子部門」受験のための学習テキストの定本。
技術士第二次試験「電気電子部門」過去問題<論文試験たっぷり100問>の要点と万全対策
ポイント
・従来の対策本では、受験する選択科目によっては参考になる問題事例が少ないという課題があったが、本書ではどの選択科目の受験者にとっても「過去の論文試験100問の要点」となるように大量の問題を紹介
・例題として解答論文事例も掲載した決定版
建設部門
技術士二次試験 建設部門 <必須科目>論文対策キーワード
ポイント
・必須科目の論文対策に活用できるキーワード集
・試験改正後の試験内容の分析に加え、過去の出題傾向も踏まえている
・キーワードについては、丁寧な解説と参考になる文献資料を数多く紹介
技術士第二次試験 建設部門 最新キーワード100
ポイント
・必須科目と選択科目の重要なキーワードを厳選して1冊に集約
・出題の分野ごとにテーマやキーワードを整理
・出題テーマの背景や現状、方向性などが理解できるように構成
・キーワードの意味や動向などを、多くの図表を交えて基本から解説
・社会資本整備や建設産業の最新の動向や話題を豊富に収録
・論文の構成に必要なキーワードを体系的に理解できるよう、関連するキーワードを併記
・掲載した施策の動向は筆記試験だけでなく口頭試験にも役立つ
技術士第二次試験 建設部門 合格指南
ポイント
・試験で重要な出題テーマを明示したうえで、各小問への答え方も含めて解答のポイントを整理
・受験申し込み書の作成から口頭試験対策まで、合格に欠かせないノウハウが効率的に身に付く方法を指南
上下水道部門
技術士試験[上下水道部門]傾向と対策
ポイント
・キーワード体系表により、論文作成に役立つ用語を短時間で理解
・出題問題と予想問題の論文解答例を多数掲載
対策 <論文事例>&重要キーワード
ポイント
・論文対策(過去3年分の「必須科目」論文と「選択科目」論文の対策)と関連キーワード解説
KmKmのブログ
技術士関連のブログを書いています。
著者の受験時の気持ち、合格体験談などなど。随時更新しています。
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