概要
大気汚染の防止を目的として、排気中の粉塵などの粒子を気体から分離する装置のことをいいます。
近年の火力発電所では、一般的に電気式集じん装置が採用されています。
種類
遠心式集じん装置
遠心力を用いて灰粒子を分離・捕集する装置のことをいいます。
電気式集じん装置に対して、機械式集じん装置とも呼ばれます。
分離可能な粒子径は、数μm程度以上です。
集じん効率は、85〜95%程度です。
電気式集じん装置
コロナ放電を利用してガス中の粒子に電荷を与え、クーロン力によって粒子を分離・捕集する装置のことをいいます。
0.1μm以下の微粒子まで捕集が可能です。
集じん効率は、90〜99.9%程度です。
重力式集じん装置
ダクトの途中に大きな部屋を設置し、粉じんを含んだ空気を急激に低下させ、重力で沈降させる装置のことをいいます。
分離可能な粒子径は、数十μm程度と比較的大きい粒子です。
集じん効率は、40〜60%程度です。
慣性力集じん装置
重力集じん装置内に衝突板を設置し、粉じんを衝突させることで捕集する装置をいいます。
分離可能な粒子径は、10μm程度です。
集じん効率は、50〜70%程度です。
ろ過式集じん装置
フィルタで粒子をろ過して捕集する装置のことをいいます。
分離可能な粒子径は、20μm程度です。
集じん効率は、90〜99%程度です。
電気式集じん装置の詳細
原理
①集じん装置内に集じん極(+極)と放電極(ー極)を設置し、極間に高電圧を印加する
②放電極からのコロナ放電により、放電極から電子が放出され、微粒子に付着する。このとき、微粒子は負(ー)に帯電する
③クーロン力により、集じん電極で粒子を捕集する
特徴
メリット
①集じん率が高い
②微小な粒子の捕集が可能
③圧力損失が低い
デメリット
①イニシャルコストが高い
②爆発性気体や粒子が牽制の場合には適用できない