種類
単結晶シリコン太陽電池
単結晶シリコンのインゴットをカットし、八角形上のウェハーで構成される太陽電池。
長年技術開発が進められており、他種に比べて故障が少なく、産業用太陽電池システムに利用された実績も豊富。
高性能で、変換効率が良い。
多結晶シリコン太陽電池
広く流通している多結晶シリコンを使用した太陽電池。
単結晶シリコンに比べて純度が低いため変換効率は劣るが、製造単価が安価に抑えられる。
住宅用太陽光発電システムの9割は、多結晶シリコン太陽電池である。
薄膜シリコン太陽電池
厚さ1μm以下のシリコン膜を用いた太陽電池。主にアモルファスシリコンが用いられる。
水素原子などの不純物を含むため、発電効率は他のシリコン系に劣る。
製造が容易、軽量で熱に強い、ガラスやステンレスに貼り付ける形で製造できる。
有機半導体太陽電池
有機物を含んだ半導体薄膜を用いた太陽電池。
常温で塗布することで製造が可能。
発電効率は低いが、フレキシブルで、薄型・軽量、低コストである。
多元素化合物半導体太陽電池
複数の元素を組み合わせた太陽電池。CIS太陽電池やCIGS太陽電池などがある。
CIS太陽電池
銅(Cu)、インジウム(I)、セレン(Se)の原料が用いられた太陽電池。
低コストで光吸収効率が良い。
CIGS太陽電池
CIS太陽電池にガリウム(Ga)を添加した太陽電池。
バンドギャップが1.25eVあり、CIS太陽電池のバンドギャップ(1.04eV)より高い。そのため、CIS系より光吸収効率が良い。
色素増感太陽電池
負極側に色素と酸化チタンを塗布し、正極との間にヨウ素電解液を注入、透明基板などで封入した太陽電池。
色素が光エネルギーを吸収し、励起したエネルギーを電子として酸化チタンに放出する。
低コスト、低エネルギーで製造が可能である。
色素の選択により、多彩な色を出すことも可能である。
特徴の比較
単結晶Si | 多結晶Si | 薄膜シリコン | 有機物 | 多元素化合物 | 色素増感 | |
変換効率 | ~20% | ~15% | ~6% | ~5% | ~14% | ~14% |
材料 | 単結晶Si | 多結晶Si | ガラス基板上にアモルファスSi | 有機物 | 銅、インジウム、セレン、ガリウム | 色素、酸化チタン |
メリット | 高性能高信頼性変換効率が高い | 単結晶より安価量産可能 | 大面積で量産可能1μm以下で発電OK低コスト | フレキシブル可軽量、低コスト | 影などの影響を受けにくい低コスト | 低コスト化の可能性 |
デメリット | 低コスト化(高純度のSiを使う為価格が高い)数百μmの厚さが必要 | 単結晶より効率が低い | 変換効率が低い | 発電効率が悪い | インジウムの資源量 | 高効率・耐久性 |