構成
圧縮機:作動媒体を圧縮して昇温する機器。
熱交換器:温度差の異なる二つの気体または液体などの流体間で熱交換を行う装置。蒸発器と凝縮器に分けられる。
膨張弁:高圧になった媒質を膨張させて再び液化させる器具。
作動媒体:熱エネルギーを移動するため蒸発・凝縮を繰り返す物質で、フロン、アンモニア、水、炭化水素が使用される。
原理
①蒸発工程:作動媒体が水や空気から熱を奪って蒸発し、低温・低圧ガスになる。
②圧縮工程:低温の作動媒体ガスを圧縮し、圧力を高めて高温化する。
③凝縮工程:高温・高圧となった作動媒体のガスを水や空気と交換することにより熱を外部へ放出。このとき作動媒体は高圧化で凝縮され液化する。
④膨張家庭:高圧の作動媒体は減圧され元の低温・低圧の液体に戻る。
以後、再び①の蒸発工程に送られ、一連のサイクルを継続する。
特徴
①エネルギーの利用効率が高いため、省エネに優れランニングコストが安い。
②化石燃料を使用しないため、CO2の排出量が少ない。
③火を使わないため火災などの心配が低く、煙や排気ガスも発生しないのでクリーンな環境を保つことができる。
課題と解決策
課題
ノンフロン化
作動冷媒として使用されているフロンはオゾン層破壊、地球温暖化等の原因となる。
解決策
①フロンの代替としてアンモニアが採用されている。
②水素吸蔵合金(MH)システム:水素吸蔵合金は水素を吸収すると熱を放出し、水素を放出すると熱を吸収する。
③ペルチェ効果を用いた冷凍システムの利用。
応用例
空調機
作動媒体の流れを逆方向にすることで冷房・暖房が可能。
深夜余剰電力を利用して夜間にヒートポンプを運転、建物内部に設けた氷蓄熱層に氷を蓄え、低温部熱源として利用する蓄熱式空調システム。