概要
一般に送電線路は架空で布設されます。
しかし、保守、法令の制約(電気設備に関する技術基準を定める省令)、用地、地域環境との調和などの観点から、架空で敷設できない場合や経済性の面で架空送電線路より総合的に有利な場合に地中送電線路が採用されます。
布設方式
直接埋設式
地中にケーブルを直接埋設する方式のことをいいます。
日本では一般的に、線路防護のためコンクリート製トラフなどに収めて埋設します。
また、埋設深さは「電気設備に関する技術基準を定める省令」により定められています。
近年では、事故復旧の迅速化から、利用されることが少なくなっています。
管路式
あからじめ管路及びマンホールを作っておき、ケーブルをマンホールから管路に引き入れる方式をいいます。
一般的に、マンホール内でケーブルを接続します。
暗きょ式
地中に暗きょ(洞道)を構築し、床上や棚上げ、あるいは、トラフ内にケーブルを布設する方式をいいます。
管路式でケーブルを多条数布設すると、その発熱により送電容量が著しく低下する場合に用いられます。
共同溝:道路の効率的利用および再掘削防止の観点から、国または自治体が道路施設の一部として利用する
併設洞道:複数の企業者が共同して利用する
特徴
メリット
①景観を維持することができる
②感電のリスクが低減する
③自然災害の影響を受けにくい
④弱電線への影響が少ない
デメリット
①建設コストが高い
②異常の発生地点の発見や復旧が困難
③フェランチ効果が発生しやすい
フェランチ効果:架空送電線よりも線路の静電容量が大きくなるので、送電端よりも受電端の方が電圧が大きくなる現象