技術士二次試験を受験する皆さま。試験日まで約1週間になりました。
準備は万全ですか?
筆記試験のポイントでも解説していますが、ここでは重要ポイントだけまとめます。
試験日までの最終調整や、試験本番で気にしてみてください。
論文全般
一文一意
一文一意とは、一つの文章で一つの意味をもたせることを言います。
文章が長いと、主張したいことがわからず、支離滅裂な表現になってしまいます。
技術論文を書くときは、一文一意を意識しましょう。
文章が長くなるときは、適切な接続語を設けて文章を分割します。
必須科目
課題
単に課題を列挙するだけでは、説得力に欠けます。なぜそれが課題になるのかを明記しましょう。
そのためには、
①現状はどうなっているのか
②問題点は何か
③だから課題をどうするか
といった流れで考えると良いでしょう。
<課題の書き方>
①課題を小見出しで記載する(観点も合わせて記載する)
②現状を記載する
③問題点を記載する
④課題(やるべきこと、達成すべきこと)を記載する
解決策
単に解決策のみを記載するだけでは、説得力に欠けます。そのため、以下のいずれかの方針で記載するようにしましょう。
<解決策の書き方①>
①解決策の発想にいたった着眼点
②解決策の具体的な方法・手法
③解決策が達成できた場合の成果
<解決策の書き方②>
①解決策の方針・方向性
②解決策の具体的な方法・手法
③解決策を達成できた場合の成果
リスク
「リスク」とは、現在は顕在化していないが仮に顕在化すると、解決策が無意味になる重大な悪影響で、かつ、不確実な事象の事を言います。
多くの受験生は、技術上のデメリットなどを記載します。しかし、確実に発生する事象や技術上のデメリットは、事前に検討するべき内容です。したがって、それはリスクではなく「問題点」に該当します。
リスクは、第三者の影響によるものをメインに考えましょう。
また、リスク = 被害規模 × 発生確率で表現することも出来ます。そのため、リスク対策では、
①被害規模を低減させる対策
②発生確率を低減させる対策
を記載すれば良いでしょう。
倫理
倫理は、人それぞれ考え方があると思います。
しかし、技術士試験の場合は、技術士としての倫理を記載しなければなりません。
技術士の倫理とは、「コンピテンシー」と「技術士倫理綱領」に記載されています。
社会の持続可能性
社会の持続可能性は、
①倫理と同様に、コンピテンシー、技術士倫理綱領の内容をベース
②2030年までに達成すべき持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標
をベースに記載するようにしましょう。
選択科目Ⅱ−1
1行に複数の設問がある場合
選択科目Ⅱ−1では、問題によって1行に複数の設問があります。その場合は、設問を見抜き、その設問ごとに章立てを行います。
特徴、メリット・デメリット、長所・短所
特徴、メリット・デメリット、長所・短所などを記述する設問は多くあります。
この場合、何と比較した特徴なのか、何と比較したメリット・デメリットなのか等、比較対象を記載するようにしましょう。
選択科目Ⅱ−2
調査、検討すべき事項
単に調査、検討すべき事項を羅列して記載するだけではNGです。
その調査、検討はなぜ必要なのか、理由を明記しましょう。
業務を進める手順
手順は章立で記載します。そして、その手順(工程)の目的、具体的な内容を文章で記載します。
各手順に、概要(1行程度)、留意点(2行程度)、工夫点(2〜3行程度)を記載します。
留意点
留意事項として記載する内容は、
・現在は潜在的な問題であるが、将来顕在化する恐れがある事象
・気をつけておかないと、後々失敗を招く事象
を意識して書いてみてください。
工夫点
単に工夫することだけ記載するのはNGです。なぜそれが工夫点となるのか、読み手(試験官)に伝わらないからです。
なぜそれが工夫点になるのか、なぜその工夫点が必要なのか、が分かるように記載しましょう。
また、留意点と関連付けて記載するようにしてください。
〇〇に留意する必要がある。だから、〇〇を工夫する。
といった流れです。
関係者との調整方策
業務を効率的・効果的に進めるために、誰とどのように調整するのかを記載します。
5W1Hを意識してください。5W1Hをすべて記載する必要はありませんが、全く無いと具体性がありません。
選択科目Ⅲ
問題文の構成は、必須科目とほぼ同じです。したがって、ポイントも必須科目とほぼ同じです。
ここでは、選択科目Ⅲの特有のポイントのみ掲載します。
技術者としての立場
必須科目では、技術部門の技術者(例:電気電子部門など)としての記述が求められます。
選択科目Ⅲでは、選択科目の技術者(例:電気応用など)としての記述が求められます。
したがって、選択科目Ⅲでは、より専門的な技術に着目して記載するようにしましょう。
記述分量
必須科目では、(4)業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点を記載します。
しかし、選択科目Ⅲでは、この設問がありません。したがって、(1)、(2)、(3)に対する答案を、より具体的に記述する必要があります。
特に重要なのが解決策です。必須科目では、解決策の記述分量が限られますが、選択科目Ⅲでは、細かいところまで記述するようにしましょう。
概ね、各設問に1ページずつ割り当ててください。ただし、(3)リスクとそ対策が1ページ記載できない場合、解決策の記述を少し増やすようにしましょう。
課題3つ、解決策3つ、リスク・対策2つが目安になります。