技術士キーワード

(技術士キーワード)電気加熱

2022年11月17日

技術士キーワード(電気電子部門)一覧はこちら

概要

抵抗加熱

 抵抗体のジュール熱を利用した加熱方式をいいます。

 高精度の温度管理が容易です。

 電気ストーブ、ドライヤーなどに使用されています。

アーク加熱

 高温のアーク熱を利用した加熱方式をいいます。

 エネルギー密度が高いことが特徴です。

 製鋼、アーク溶接などに使用されています。

誘導加熱

 伝導体の交番磁界中における渦電流損、ヒステリシス損を利用した加熱方式をいいます。

 可変周波数電源を用いれば、浸透の深さを自由に調整できるので、表面だけを選択的に加熱できます。

 電磁調理器、金属の溶接、鋼材表面の焼入れなどに利用されています。

電磁波加熱

 絶縁体の加熱に、交流電界での誘電損失を利用した加熱方式をいいます。

 加熱が物体の内部から起こるので、均一に加熱することができます。

 電子レンジに利用されています。

赤外線加熱

 赤外線を放射した加熱方式をいいます。

 状況に応じたきめ細やかな温度制御が容易です。

 ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどに利用されています。

特徴

 燃焼加熱と比較して、次のような特徴があります。

 ①真空中でも容易に加熱できる

 ②内部加熱ができる

 ③温度制御が容易である

 ④加熱による燃焼廃棄物が発生しない

課題・問題点・解決策

(誘導加熱)安全な加熱方式の確立

 被加熱物内に金属片があると放電が発生し、安全性を確保できない。

 磁石を利用した鉄系異物の吸着・除去、X線や誘電加熱を利用した金属検出センサーの設置が行われています。

(誘導加熱)電磁両立性の確保

 漏洩電波により通信機器などが誤作動する恐れがあります。

 シールドルームの設置、障害側のSS通信の利用が行われています。

(抵抗加熱)用途拡大

 被加熱物が均一な抵抗を有していないと、均一加熱が困難です。

 センサー搭載により、被加熱物の抵抗検知が行われています。



-技術士キーワード