概要
太陽光を太陽電池により直接的に電力に変換する発電方式をいいます。
発生過程において燃料を必要とせず、排出ガスもないことから、クリーンエネルギーによる発電となります。
原理
ここでは、pn接合の太陽電池による原理を解説します。
①太陽光エネルギーがpn接合半導体に入射
②価電子帯にある電池が伝導体へ遷移
③遷移した電子は拡散および空乏層の電界によりドリフトしn形半導体へ移動
④この電子を外部に取り出すことで電流が流れる。
日本の電源構成
2021年度現在、資源エネルギー庁の発表によると、電源構成は以下の割合となっています。
・原子力:6.9%
・石炭:31.0%
・天然ガス:34.4%
・石油等:7.4%
・水力:7.5%
・太陽光:8.3%
・風力0.9%
・地熱:0.3%
・バイオマス:3.2%
特徴
①発電時に二酸化炭素を排出しない
②エネルギー源が枯渇しない
③発電量が天候に左右される
④発電コストが高い
太陽電池の種類
単結晶Si | 多結晶Si | アモルファス | 有機物 | CIS系 | 色素増感 | |
変換効率 | ~20% | ~15% | ~6% | ~5% | ~14% | ~14% |
材料 | 単結晶Si | 多結晶Si | ガラス基板上にアモルファスSi | 有機物 | 銅、インジウム、セレン | 色素、酸化チタン |
メリット | 高性能高信頼性変換効率が高い | 単結晶より安価量産可能 | 大面積で量産可能1μm以下で発電OK低コスト | フレキシブル可軽量、低コスト | 影などの影響を受けにくい低コスト | 低コスト化の可能性 |
デメリット | 低コスト化(高純度のSiを使う為価格が高い)数百μmの厚さが必要 | 単結晶より効率が低い | 変換効率が低い | 発電効率が悪い | インジウムの資源量 | 高効率・耐久性 |
課題・問題点・解決策
安定した電力供給
発電量が天候時に左右されるため、発電出力の予測が困難
スマートグリッド構想:発電状況、系統全体の電力をリアルタイムで監視制御する。蓄電池の導入
系統連系時の安全性の確保
系統連系時に太陽電池単独運転による事故の発生
単独運転の検出:単独運転移行時に発電出力と負荷の不平衡により電圧位相や周波数などが急変する事象を検するする。
メンテナンスフリー
太陽光パネル表面に汚れが発生すると発電量が低下するため、メンテナンスが必要
掃除ロボットの導入:カメラやセンサを搭載した掃除ロボットにより自律的に清掃を実施。ただし掃除ロボット駆動のための電源が別途必要。