概要
発電出力が概ね200kW以下で回転数が60000~120000min-1の高速発電機を備えた超小型ガスタービンのことをいいます。
原理
①圧縮機で空気を加圧
②燃焼器で加圧空気を用いて燃料を燃焼
③高温高圧でガスタービンを回転
④ガスタービンに接続された発電機で電力を得る
特徴
マイクロガスタービン | 大型ガスタービン | |
圧縮比 | 3~5 | 11~23 |
燃焼温度(℃) | 700~900 | 1100~1500 |
回転数(rpm) | 60,000~120,000 | 3,000~10,000 |
出力(kW) | 20~200 | ≧10,000 |
サイクル | 再生サイクル | コンバインドサイクル |
熱回収形態 | 温水 | 蒸気 |
①高効率:大型ガスタービンを単純に小型化した場合より、発電効率が約20%向上する。
②コンパクト:部品点数が少なくシンプルな構造
③環境に優しい:ばいじん、NOx、炭化水素化合物の発生が往復動熱機関に比べて少ない。
課題・問題点・解決策
全体的な効率向上
問題点
燃焼器出口温度は現在の金属翼で無冷却方式を採用する限り、950℃を超えることができない。
解決策
セラミック翼の採用:1300℃級の燃焼温度が可能。
ただし、靱性、耐久性、コストに問題あり。
部分負荷に対する効率向上
問題点
定格回転数を採用した一軸ガスタービンの場合、負荷の大小に関係なく常に一定の動力が圧縮機で消費される。
解決策
圧縮機の変速:インバータを用いた周波数調整を行う。
コスト低減
問題点
新規導入の際、本体コストに加え、系統連系設備コストが発生する。
解決策
系統連系への簡素化
応用例
①分散電源
40kWクレス:コンビニ、数個単位の住宅
80kWクラス:レストラン、小規模スーパーマーケット
200kWクラス:中規模レストラン、病院
②予備電源、可搬用電源
今後の展望
スマートシティ、電力網未整備地区電源、コージェネレーションの導入が期待されている。