フェールセーフ
概要
「装置はいつか必ず壊れる」ことを前提とし、故障時や異常発生時でも、安全側に動作させることで、人への危害を防止する手法のことをいいます。
製品やシステムに故障あるいはエラーが発生しても安全が維持できるように工夫しています。
具体的には、
①冗長構成
②機能診断
③故障検出時の出力安定側固定
によって安全を確保します。
構成例
冗長構成
CPUまたは周辺電子回路に故障が生じたときにそれを検出し、対応するために必要とされている。
ハードウェア冗長
微小時間内に複数ハードウェアで同一の故障が発生していないことを前提とする。
ソフトウェア冗長
同一のバグは異なる複数のソフトウェアには発生しない、および、CPUの異常に対して異なる演算結果が得られることを前提とする。
機能診断
①専用フェールセーフハードウェアによるCPUの故障診断
②CPU相互間での故障診断
③CPUによる入力回路を含む周辺電子回路の故障診断
がある。
故障検出時の出力安定側固定
フェールセーフ設計の出力回路によって出力回路自体が故障しても故障診断結果を確実に反映する。
交番出力によりリレーを駆動する方式が一般的である。
事例
踏切遮断機の故障
重力により自ら遮断かんが降りる(自重降下)ことにより、踏切通行者の安全を確保する。
列車検知装置の故障
列車がいなくても「列車あり」と判断し、「赤(停止)」」を現示させることで衝突を防止する。
起動回路では列車が在線しているときはリレーに電流が流れないように設計されている。
何らかの故障が発生して通電しなくなった場合でも、重力によりリレーが落下する。
したがって常に在線検知している状態を維持している。
医療
自然災害が発生して病院が停電になっても自家発電によって電力の供給が止まらないようにする。
フールプルーフ
概要
人がミスをしようとしても、できないように工夫する手法をいいます。
具体的には、
①操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない
②誤操作や危険な使い方ができないような構造や仕掛け
を設計段階で組み込むことをいいます。
事例
洗濯機
洗濯機は蓋を閉じなければドラムが回転しない
自動車
ブレーキを踏んでいなければエンジンをかけられない
工作機
手を挟まないように両手で押さないと動作しない
電子レンジ
扉があいたままだと動作しない
薬剤の保管
名前の似ている薬剤を間違えて使用しないよう、別々の場所に保管する