技術士キーワード

(技術士キーワード)地熱発電

2022年12月14日

技術士キーワード(電気電子部門)一覧はこちら

概要

 地中深くから取り出した蒸気でタービンを直接回し発電する方式をいいます。

 火力発電所では、石炭、石油、LNGなどの燃焼による熱で蒸気を発生させますが、地熱発電では、地球がボイラの役割を果たしています。

種類

ドライスチーム方式

地下から直接水蒸気を取り出してタービンを回す方式。

蒸気が熱水をほとんど含まれていない(天然の乾燥蒸気)場合のみ使用可能。

シングルフラッシュ方式

・地熱井から地下深部の地熱貯留層より地熱流体を取り出す

・地熱流体を汽水分離器に導き、蒸気と熱水に分離させる

・分離後の蒸気を利用してタービンを回す

・役目を終えた蒸気は復水器によって温水となる

・温水は冷却塔で冷やされた後、再び復水器の冷却水に利用したり、余った冷却排水は地下深部へ戻したりする

・分離後の熱水は、地下深部へ戻される

ダブルフラッシュ方式

 シングルフラッシュで廃棄していた温水を減圧膨張し、二次蒸気と熱水に分離させる。

 最初の蒸気と二次蒸気を利用してタービンを回す。

バイナリーサイクル方式

 地下の温度や圧力が低いため地熱発電を行う事が困難であり、熱水しか得られない場合に使用する方式。

 アンモニア、ペンタンなど水よりも低沸点の熱媒体を熱水で沸騰させタービンを回す。

特徴

メリット

 ①純国産エネルギーの有効活用が可能

 ②燃料が不要である

 ③再生可能エネルギーであり、発電時に二酸化炭素を発生させない

 ④天候・昼夜問わず安定した発電が可能

デメリット

 ①大容量の発電所の建設が困難

 ②景観に恵まれ場場所が多いため、周辺環境との調和を図る必要がある

 ③開発リスク、建設コストが高くなる




-技術士キーワード