概要
地中深くから取り出した蒸気でタービンを直接回し発電する方式をいいます。
火力発電所では、石炭、石油、LNGなどの燃焼による熱で蒸気を発生させますが、地熱発電では、地球がボイラの役割を果たしています。
種類
ドライスチーム方式
地下から直接水蒸気を取り出してタービンを回す方式。
蒸気が熱水をほとんど含まれていない(天然の乾燥蒸気)場合のみ使用可能。
シングルフラッシュ方式
・地熱井から地下深部の地熱貯留層より地熱流体を取り出す
・地熱流体を汽水分離器に導き、蒸気と熱水に分離させる
・分離後の蒸気を利用してタービンを回す
・役目を終えた蒸気は復水器によって温水となる
・温水は冷却塔で冷やされた後、再び復水器の冷却水に利用したり、余った冷却排水は地下深部へ戻したりする
・分離後の熱水は、地下深部へ戻される
ダブルフラッシュ方式
シングルフラッシュで廃棄していた温水を減圧膨張し、二次蒸気と熱水に分離させる。
最初の蒸気と二次蒸気を利用してタービンを回す。
バイナリーサイクル方式
地下の温度や圧力が低いため地熱発電を行う事が困難であり、熱水しか得られない場合に使用する方式。
アンモニア、ペンタンなど水よりも低沸点の熱媒体を熱水で沸騰させタービンを回す。
特徴
メリット
①純国産エネルギーの有効活用が可能
②燃料が不要である
③再生可能エネルギーであり、発電時に二酸化炭素を発生させない
④天候・昼夜問わず安定した発電が可能
デメリット
①大容量の発電所の建設が困難
②景観に恵まれ場場所が多いため、周辺環境との調和を図る必要がある
③開発リスク、建設コストが高くなる