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技術士二次試験 選択科目Ⅱ-2の書き方と対策

2025年4月26日

このページでは、技術士二次試験の選択科目Ⅱ-2について、答案の書き方と対策の進め方を整理しています。

選択科目Ⅱ-2では、与えられた業務やプロジェクトに対して、調査・検討すべき事項、業務を進める手順、留意点、工夫点、関係者との調整方策などを、具体的に記述する力が求められます。

単に知識を説明するだけではなく、実務でどのように業務を進めるかを、読み手に伝わる形で整理することが大切です。

答案作成前に、設問ごとの書き方、記述量の目安、よくあるNG例を確認しておきましょう。

このページで確認できること

  • 技術士二次試験 選択科目Ⅱ-2の出題傾向
  • 調査・検討すべき事項の書き方
  • 業務手順、留意点、工夫点の整理方法
  • 関係者との調整方策の書き方
  • 記述量の目安と答案構成の考え方
  • 選択科目Ⅱ-2でよくあるNG例

選択科目Ⅱ−2の出題傾向と試験科目別確認項目

選択科目Ⅱ−2の出題傾向

 選択科目Ⅱ−2の問題構成は、概ね以下のようになっています(技術部門によって傾向が少し異なる場合があります)。

 ・問題文:遂行するプロジェクトや方策の概要
 ・(1):プロジェクト等を遂行するにあたり調査・検討すべき事項
 ・(2):業務を進める手順、留意点、工夫点
 ・(3):関係者との調整方策

試験科目別確認項目

コンピテンシー必須科目Ⅰ選択科目Ⅱ−1選択科目Ⅱ−2選択科目Ⅲ口頭試験
専門的学識
(基本知識理解)

(基本知識理解)
(基本理解レベル)

(業務知識理解)
(業務理解レベル)

(基本知識理解)
問題解決
(課題抽出)
(方策提起)

(課題抽出)
(方策提起)
評価
(新たなリスク)

(新たなリスク)
技術者倫理
(社会的認識)
マネジメント
(業務遂行手順)
コミュニケーション
(的確表現)

(的確表現)

(的確表現)

(的確表現)
リーダーシップ
(関係者調整)
継続研さん
試験科目別確認項目

選択科目Ⅱ-2の答案作成で確認したいポイント

(1) 調査・検討すべき事項

目安となる記述量

 概ね全体の1/3を目安としましょう。

調査・検討すべき事項の書き方

 単に調査、検討すべき事項を羅列して記載するだけではNGです。

 その調査、検討はなぜ必要なのか、理由を明記しましょう。

 理由を明記するには、以下のような構文にすると良いでしょう。

目的を記載するための構文例
 ・〜〜をするため、〜〜を調査する。
 ・〜〜を目的に、〜〜を調査する。
 ・〜〜の検討が必要である。その理由は、〜〜である。
 ・〜〜の検討を行う。なぜなら、〜〜だからである。

 また、以下に、具体的な事例を想定した記載方法を示します。

事例:電気自動車の電磁両立性

添削前
(1)放射ノイズ量の調査
 駆動モータ用インバータや昇降圧機器のスイッチング動作による放射ノイズを調査する。
(2)ノイズ耐量調査
 車載機器のノイズ耐量を調査する。
(3)機器配置の検討
 車載に搭載する機器の配置を検討する。

添削後
(1)放射ノイズ量の調査
 放射ノイズは、車載機器の誤作動要因となる。そこでエミッション(EMI)対策を検討するため、駆動モータ用インバータや昇降圧機器のスイッチング動作による放射ノイズを調査する。
(2)ノイズ耐量調査
 放射ノイズは完全に除去できない。そこでイミュニティ(EMS)対策を合わせて検討するため、車載機器のノイズ耐量を調査する。
(3)機器配置の検討
 各種機器間の配線は、ノイズの放射や侵入経路となる。そこで、配線ルートを最適化するため、車載に搭載する機器の配置を検討する。

調査・検討すべき内容の例

 ある程度パターン化できます。実際の試験では、パターン化した内容を問題文のテーマに合わせて内容を具体化すると良いでしょう。

調査・検討すべき内容の例
 ・品質(Q)
 ・コスト(C)
 ・納期、工期(D)
 ・最新の法令、省令、規則
  法令などは知っていることが前提ですが、法改正を見落とすとコンプライアンス違反になります。
  そのようなアプローチで記載すると良いでしょう
 ・最新技術、技術動向、テーマに適した手法、配置方法
 ・メリット、デメリット
 ・施工方法、施工性
 ・軽量化、省エネの手法
 ・緊急時の対処方法
 ・機能、性能、故障頻度
 ・代替製品、代替材料
 ・市場
 ・過去の事象

(2) 業務手順

目安となる記述量

 概ね全体の1/3(+α)を目安としましょう。

業務手順の書き方

 業務を進める手順は、ある程度パターン化できます。過去問や練習問題を通じて、パターン化しておきましょう(2〜5個程度のパターンがあると安心です)。

 実際の試験では、パターン化した内容に、問題のテーマを関連付けて記載すればOKです。

 手順は章立で記載します。そして、その手順(工程)の目的、具体的な内容を文章で記載します。

 パターン化した手順に、設問のテーマに合わせた目的を記載すれば良いでしょう。

 ※目的を記載しないと、一般論的に見えます。一般論の内容では、他の受験生と差別化できません。

業務手順の例
(1)基本方針の策定、企画及び構想の検討など
(2)基本設計、実施設計、システム設計など
(3)試作品の作成・評価、システム構築・仮運用など
(4)試験、評価、改良など
(5)量産準備、量産開始、システム本運用など

 また、各手順に、概要(1行程度)、留意点(2行程度)、工夫点(2〜3行程度)を記載します。
 留意点と工夫点のみを記載している論文が多く見られます。が、その手順で何を行うのか説明がないと、読み手に伝わりません。

留意点

 「留意」とはどのような意味でしょうか。また、「注意」と何が違うのでしょうか。

 実用日本語表現辞典によると、以下のように記載されています。

「留意」とは、「意に留める」こと、「気に留める」こと、「心に留め置く」ことを意味する表現である。

「注意」は「意を注ぐ」と読み下せる表現であり、「気をつける」「気を配る」「心を向ける」という意味合いの見出せる表現である。

よって留意と注意の違いとしては、
 ・「留意」は「心の片隅に置いておき失われないようにする」といった意味合い
 ・「注意」は「意識を対象へと傾けておく」といった意味合いである。

実用日本語表現辞典より

 つまり、意識を常に対象に傾けておく必要はないけど、心には留めておいてね、といった意味合いになります。

 車に注意して横断する、細部に注意を払う、同じ間違いをしないよう注意した、とは言いますが、「留意」とは言いませんよね。

 したがって、留意事項として記載する内容は、
 ・現在は潜在的な問題であるが、将来顕在化する恐れがある事象
 ・気をつけておかないと、後々失敗を招く事象
を意識して書いてみてください。

 また、留意点を記載すべきところ、工夫点を記載している場合が多いです。留意点と工夫点は明確に分けてください。
  〇〇に留意する必要がある。だから、〇〇を工夫する。
  〇〇に気をつける必要がある。そのため、〇〇を工夫する。
といった構成にしてください。

 よくあるNG集を紹介します。以下のNG事例は気づかずに記載している場合もありますので、見直しなどの際に気をつけてみてください。

NG例

①「おいては」、「必要」が連発で記載
 ○○においては、△△が必要である。また、◎◎においても、☆☆が必要である。さらに、○○においても、△△に留意が必要である。
 →何が必要なのか分かりません。必要な項目は1つに絞り、明確にしてください。

②捻じれ文
 留意点は、○○に留意することである。
 →主語と述語が同じ表現です。「留意点は、〇〇である」の表現にしましょう。

③工夫点を記載してしまう
 留意点:〇〇を考慮して〇〇を行う。
 →〇〇を行う、としている時点で工夫点です。〇〇を考慮するのはなぜか、その理由が留意点です。

④留意すべき内容になっていない
 ・「〇〇を効率化すること」に留意する
 ・「〇〇を低減すること」に留意する
 ・「〇〇を検討すること」に留意する
 ・「〇〇を工夫すること」に留意する
 これらは、「留意すべき内容」ではなく、どちらかというと「考慮すべき内容」です。

工夫点

 業務を進める上で、工夫すべきことを記載します。

 単に工夫することだけ記載するのはNGです。なぜそれが工夫点となるのか、読み手(試験官)に伝わらないからです。

 なぜそれが工夫点になるのか、なぜその工夫点が必要なのか、が分かるように記載しましょう。

 また、留意点と関連付けて記載するようにしてください。
  〇〇に留意する必要がある。だから、〇〇を工夫する。
といった流れです。

 以下の例を参考に、記載してみてください。

工夫点の記載例

・△△を防ぐために、◎◎を行う。
・通常は◯◯だが、今回は△△のため◎◎とする。
・○○には△△が短所となる。そのため、◎◎を合わせて実施する。
・○○を目的に、◎◎をする。具体的には、△△や☆☆である。

 なお、工夫点の記載にも、捻じれ文には注意してください。

(3) 関係者との調整方策

目安となる記述量

 概ね全体の1/3を目安としましょう。調査・検討すべき事項、手順よりは少ない記述量でOKです。

関係者との調整方策の書き方

 リーダーシップ能力を審査する記述です。

 業務を効率的・効果的に進めるために、どのように調整するのかを記載します。

 ここでの関係者とは
 ・自社内の多系統社員
 ・協力業者
 ・顧客
 ・関係機関(国、自治体、公的機関など)
 ・周辺住民
などが挙げられます。いわゆるステークホルダーですね。

 一方、自社の社長・役員、直属の上司、先輩・後輩などは、関係者として登場させないほうが無難でしょう。

 確かにこれらの人物とも調整が必要ですが、際立った文章になりません(=当たり前の調整内容となってしまいます)。

 多種多様な関係者と様々な利害があるなかで、業務がスムーズに進められるようまとめ上げるのが、リーダーシップです。

 関係者を「ステークホルダー」と一括にはしないようにしましょう。具体的に、どのような関係者と調整が必要なのかを記載します。

 また、5W1Hを意識してください。5W1Hをすべて記載する必要はありませんが、全く無いと具体性がありません。

5W1H
・When(いつ)
 日時、時間、期間、期限など
・Where(どこで)
 開催場所など
・Who(誰が)
 関係者
・What(何を)
 何を調整するか
・Why(目的)
 なぜその調整が必要か
・How(どのように)
 どのように調整を行うか

関係者との調整方策例
例1
 工程遅延を防止するため、〇〇と1ヶ月に1回程度、定例会議を実施する。
 ボトルネックとなる工程を把握し、必要により機材や人材を投入する。
 これにより、遅延することなく業務を遂行する。

例2
 半導体不足により、材料の入手が困難となる可能性がある。
 メーカーとコミュニケーションを密にし、半導体の製造状況を把握する。
 入手困難に陥りそうな場合は、代替部品も検討する。

例3
 周辺住民への理解を得るため、事業計画時に説明会を実施する。
 この際、①技術根拠の提示、②定量的な説明、③メリット・デメリットの明記を心がける。
 また、一方的な説明に終始せず、対話を通じて理解を得る。

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 選択科目Ⅱ-2では、設問に合わせて調査・検討事項、業務手順、留意点、工夫点、関係者との調整方策を整理する必要があります。答案作成前に、骨子作成の方法や筆記試験対策の全体像も確認しておきましょう。

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