概要
電気信号を光に変換し、再び電気信号へ戻すことにより、電気的に絶縁しながら信号を伝達する素子のことをいいます。
構造
光源と受光素子を対向に配置し、モールドで封入されています。
代表的な光源には、発光ダイオード(LED)が使用されています。LEDは電気信号を光信号に変換する役割を担っています。
受光素子には、フォトダイオードやフォトトランジスタなどが使用されています。光の波長や強度に応じて、電流や電圧などの電気信号に変換します。
特徴
電気的絶縁
フォトカプラは、光源と受光素子によって電気的に絶縁されています。
これにより、入力側と出力側が電気的に分離され、電気的に絶縁されています。
異なる電圧レベルやグランドループがある場合でも、短絡させることなく信号を伝達することができます。
耐ノイズ性
フォトカプラは、光を媒体として信号を伝送します。
そのため、電気的なノイズや干渉の影響を受けずに信号を伝送することができます。
高速スイッチング
光を媒体としているため、高速スイッチングが可能です。
誤動作
ON動作
発光素子(LED)に対し順方向に電流が流れると、誤って発光素子が点灯しON動作となります。これにより勝手に電源が入るという誤動作の要因になります。
OFF動作
発光素子(LED)に対し逆方向の電流が流れると、誤って発光素子消灯しOFF動作となります。これにより勝手に電源が落ちるという誤動作の要因になります。
高速化するための方策
発光素子
光源の応答時間を短くする必要があります。
高速な応答を持つLEDや半導体レーザーなど、高速な光源を選択することが重要です。
受光素子
受光素子の応答時間を短くすることも、フォトカプラの高速化に寄与します。
高速なスイッチングを可能にするために、フォトダイオードや高速フォトトランジスタなどの高速受光素子を選択することが重要です。
使用領域
非飽和領域で使用することで、飽和領域に比べて高速化できます。
飽和領域で使用すると、トランジスタのベースに蓄積された電荷を放出させるために時間を要し、応答速度が悪くなります。