サプライチェーンマネジメントとは
原材料の調達から生産、出荷、流通、販売、回収までを情報ネットワークで一括管理し、リアルタイムに近い形で需要予測を行い、生産を調整して在庫を減らし、コストを削減するマネジメントのことをいいます。
サプライチェーンマネジメントを導入しなければ、ブルウィップ効果が現れることがあります。
※ブルウィップ効果とは、需要情報が上流に伝わるにつれて、その変動が大きくなることをいいます。
メリット
在庫の見える化
サプライチェーンマネジメントにより、リアルタイムに近い形で需要予測を行うことができます。そのため、在庫を適正に把握することができ、過剰在庫・欠品を防ぐことができます。
過剰在庫になると、余剰の管理費が発生します。また、欠品になると、販売の機会損失が生じます。そのため、在庫の適正管理は非常に重要となります。
効率のよい供給を実現
リアルタイムに需要予測により、需給バランスが適正となります。必要なときに、必要なだけ、必要なものを供給することができ、ボトルネックとなる工程が減少します。
※ボトルネックとは、業務の一連の流れで、業務の梯隊や生産性の低下を招いている工程・箇所のことをいいます。全体の最適化のためには、ボトルネックを発見し、解決することが重要となります。
人材の有効活用
各工程(調達、生産、出荷、流通、販売、回収)を一元管理するため、各々のセクションの状況がリアルタイムで把握できます。
需要が多い工程へ人員投入を行い、供給過剰の工程では人員を調整することで、適切な人員配置を可能とします。
デメリット
関連企業全体への意思統一が困難
サプライチェーンマネジメントは、自社のみならず、関連企業と一体化して行う必要があります。
縦割りの意識が根付いている企業では、横断して業務を行う習慣が乏しいため、全体への意思統一が困難になります。
関連企業全体への意識改革から着手する必要がありますので、サプライチェーンマネジメントのスタート段階からハードルが高くなります。
導入コストの発生
各工程(調達、生産、出荷、流通、販売、回収)を一元管理するためには、システム化が必要不可欠になります。
システム導入には、初期費用や維持管理費用が発生します。また、自社のみの導入だけではなく、関連企業全体にも波及するため、コストの発生は大きなハードルとなります。
人材の確保
システム導入にはITの知識が必須となります。そのため、専門知識のある人材の確保が必要となります。
IT分野は常に人で不足であり、IT知識の豊富な人材を確保することは困難です。