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(技術士キーワード)太陽電池の種類

2023年1月12日

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種類

単結晶シリコン太陽電池

 単結晶シリコンのインゴットをカットし、八角形上のウェハーで構成される太陽電池。

 長年技術開発が進められており、他種に比べて故障が少なく、産業用太陽電池システムに利用された実績も豊富。

 高性能で、変換効率が良い。

多結晶シリコン太陽電池

 広く流通している多結晶シリコンを使用した太陽電池。

 単結晶シリコンに比べて純度が低いため変換効率は劣るが、製造単価が安価に抑えられる。

 住宅用太陽光発電システムの9割は、多結晶シリコン太陽電池である。

薄膜シリコン太陽電池

 厚さ1μm以下のシリコン膜を用いた太陽電池。主にアモルファスシリコンが用いられる。

 水素原子などの不純物を含むため、発電効率は他のシリコン系に劣る。

 製造が容易、軽量で熱に強い、ガラスやステンレスに貼り付ける形で製造できる。

有機半導体太陽電池

 有機物を含んだ半導体薄膜を用いた太陽電池。

 常温で塗布することで製造が可能。

 発電効率は低いが、フレキシブルで、薄型・軽量、低コストである。

多元素化合物半導体太陽電池

 複数の元素を組み合わせた太陽電池。CIS太陽電池やCIGS太陽電池などがある。

CIS太陽電池
 銅(Cu)、インジウム(I)、セレン(Se)の原料が用いられた太陽電池。
 低コストで光吸収効率が良い。

CIGS太陽電池
 CIS太陽電池にガリウム(Ga)を添加した太陽電池。
 バンドギャップが1.25eVあり、CIS太陽電池のバンドギャップ(1.04eV)より高い。そのため、CIS系より光吸収効率が良い。

色素増感太陽電池

 負極側に色素と酸化チタンを塗布し、正極との間にヨウ素電解液を注入、透明基板などで封入した太陽電池。

 色素が光エネルギーを吸収し、励起したエネルギーを電子として酸化チタンに放出する。

 低コスト、低エネルギーで製造が可能である。

 色素の選択により、多彩な色を出すことも可能である。

特徴の比較

 単結晶Si多結晶Si薄膜シリコン有機物多元素化合物色素増感
変換効率~20%~15%~6%~5%~14%~14%
材料単結晶Si多結晶Siガラス基板上にアモルファスSi有機物銅、インジウム、セレン、ガリウム色素、酸化チタン
メリット高性能高信頼性変換効率が高い単結晶より安価量産可能大面積で量産可能1μm以下で発電OK低コストフレキシブル可軽量、低コスト影などの影響を受けにくい低コスト低コスト化の可能性
デメリット低コスト化(高純度のSiを使う為価格が高い)数百μmの厚さが必要単結晶より効率が低い変換効率が低い発電効率が悪い インジウムの資源量高効率・耐久性
太陽電池の比較

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