概要
常規状態および指定された過負荷状態にある電路の開閉・通電ができ、短絡などの規定された異常回路状態の電流を所定時間通電できる機器のことをいいます。
短絡状態の電路を開閉できる遮断器、あるいは単に充電された電路を開閉分離する断路器とは区別されます。
種類
高圧開閉器
消弧方式による分類
屋内ではは、気中開閉器が主流である。開閉部が開放しているため、開放状態の目視確認や保守が容易である。
一方、屋外では、気中、真空、ガス開閉器が使用されている。
| 名称 | 消弧媒体 | 開閉容量 | 電気的寿命 | 開閉部目視 | 保守点検 |
| 気中開閉器 | 空気 | 小 | 小 | 可能 | 容易 |
| 真空開閉器 | 真空 | 大 | 大 | 不可 | 容易 |
| ガス開閉器 | SF6ガス | 大 | 中 | 不可 | 難しい |
負荷開閉器
常規状態での通電、電路の開閉を行うことができる。
また、短絡事故では、投入や短絡電流遮断までの所定時間の通電に耐えることができる。
充電部が露出しているため、小動物による事故を防ぐ目的で、絶縁バリアを設けて使用される場合が多い。
限流ヒューズ付き負荷開閉器
負荷開閉器に高圧限流ヒューズを組み合わせて使用する。
負荷開閉器の遮断能力以上の過電流は、高圧限流ヒューズにより電流遮断する。
常規使用では、負荷開閉器により投入・遮断する。
過電流ロック形負荷開閉器
地絡や過電流の検出機能を備えた制御装置と組み合わせた負荷開閉器。
地絡発生時には、トリップ装置で自動的に遮断する。
遮断能力以上の過電流には、過電流ロック装置により閉路状態でロックし、電源側の遮断器の動作により無充電状態になったことを検出して、トリップ装置で開路する。
低圧開閉器
電磁開閉器
電動機の始動／停止のための電路開閉機能を有する電磁接触器と、電動機の過負荷または欠相を検出し接点信号を出力する過負荷継電器により構成される。
別置の押釦スイッチ、リレーなどにより、遠方より操作され、ポンプ機器・工作機械・搬送機械・空調機器など幅広い用途で使用される。
開閉機能は、電磁接触器の性能により決まる。
ナイフスイッチ
従来は、開放形ナイフスイッチが使用されていたが、充電部が露出しているため、特殊な用途を除いてカバー付きナイフスイッチ、箱開閉器、配線用遮断器が使われている。
低圧の主幹開閉器、分岐開閉器、手元開閉器などに用いられる。
開閉状態を直接目視でき、直接手動操作が可能である。
箱開閉器
ナイフスイッチやカムスイッチ構造の開閉部を箱内に納め、操作ハンドルまたは操作ボタンを箱外に出して外部より開閉できようにした開閉器。
誘導電動機の始動開閉器、低圧電路の主幹開閉器、分岐開閉器、手元開閉器などに用いられる。
直接手動操作が可能で、安全に操作できる。
