概要
平常状態及び短絡・過電流・地絡状態うの電路を投入・遮断する装置のことをいいます。
遮断器の2次側で短絡・過電流・地絡が発生したときに電路を保護するため、過電流遮断器や地絡継電器などの保護継電器と組み合わせたり、過電流・地絡を検出する装置を内蔵しています。
交流遮断器
油遮断器
遮断部分が油の入ったタンクの中に設置された遮断器。
遮断器のなかでは最も古くから用いられている。
アークによる油の気化を利用、あるいは、機械的に油流をつくったりして、アークを冷却・消弧している。
空気遮断器
遮断部分が圧縮空気が噴出すノズルの前に設置された遮断器。
0.5〜5.0MPaの圧縮空気を備えておき、ノズル状接触子の中心付近に発生したアークに、高速空気流を吹き付けて消弧する。
遮断器本体とコンプレッサが必要なので設置スペースを広く取る必要があり、近年の新設受電設備には用いられなくなっている。
ガス遮断器
SF6ガスを絶縁・消弧媒体として利用した遮断器。
中電圧・中容量では、SF6ガス中でアークを発生し、アーク熱による圧力上昇、あるいは、遮断電流による磁界を作用させて消弧する方式が実用化されている。
ほか、アークにSF6ガスを吹き付け消弧する方式がある。
真空遮断器
10-5Pa以下の高真空中での高い絶縁耐力と強力な拡散作用による消弧能力を利用した遮断器。
36kV以下で主流な遮断器である。
遮断時に発生するアークの金属蒸気を、高真空によって拡散し消弧する。
磁気遮断器
大気中でアークを磁界により駆動して、積み重ねた磁器製の消弧板内に押し込んで冷却して消弧する遮断器。
遮断部分が磁気を発生するコイルや鉄心に囲まれている。
アークを引き伸ばす方法として、
①コイルと磁鉄板を用いる吹消しコイル方式
②消弧室内でアークをループ状として、それ自身の磁界で駆動するループアーク方式
がある。
直流遮断器
交流電流の遮断と異なり、商用周波数における電流の零値を利用できないため、なんらかの方法で電流の零値を発生させる必要がある。
逆電圧発生方式
アークに磁界を加えたり、強制的に流体を吹き付けてアークを引き伸ばしたりして、アーク電圧を高めて遮断電流を減少させて遮断する方式
転流方式
遮断部を開極してアーク電圧を高くするとともに、遮断部と並列に設けた回路素子に電流を転流させ、遮断部の電流を遮断する方式
自励発振方式
遮断部と並列に無充電のキャパシタとリアクトルを接続し、遮断部の開極に伴いアークの負性抵抗特性を利用して、自励的に拡大する振動電流を発生させ、電流零値となった時点で遮断する方式
他励発振方式
遮断部と並列にあらかじめ充電したキャパシタを接続し、リアクトルを通して放電させることにより発生した振動電流を遮断部の電流に重畳することで強制的に電流零値を作って遮断する方式
自己消弧方式
自己消弧形半導体素子(GTO)を直流電流遮断の主要素として使用する方式