概要
搭載した燃料電池で発電し、電動機の動力で走る車のことをいいます。
水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーにより、モータを回転して走ります。
燃料電池自動車は水素ステーションで燃料となる水素を補給する必要があります。
特徴
①有害な排出ガスがゼロ、または少ない(理論的には排出は水のみ)
②エネルギー効率が高い(ガソリン内燃機関自動車のエネルギー効率:15~20%、FCVはその2倍程度)
③電気化学反応によって発電するため、騒音が少ない
ハイブリッド車 | 電気自動車 | 燃料電池自動車 | |
燃料 | ガソリン | 電気 | 水素 |
動力源 | エンジンとモータ | モータ | モータ |
バッテリー容量 | 小 | 大 | 中 |
燃料補給時間 | 短 | 長 | 短 |
走行距離 | 長(900km) | 短(400km) | 長(700km) |
排出 | 二酸化炭素 | なし | 水 |
課題・問題点・解決策
水素製造方法の確立
水素を製造する方法として、
①化石燃料からの改質
②電気分解
がある。
①は製造過程でCO2が発生し、②は1㎥の水素を製造するのに5~6kWhの電力が必要となる。
解決策
・自然エネルギー発電による電気分解(余剰電力の活用)
・太陽光を利用した光触媒による水素製造技術の確立
水素の安定輸送と貯蔵
水素は体積当たりのエネルギー密度が低く(天然ガスの1/3程度)、高密度を維持しつつ輸送・貯蔵が困難である。
解決策
高圧ガス化、液化(-253℃)、水素をトルエン等の有機物に化合し、使用時に脱水素を行う
安全性の確保
水素は可燃ガスなので、事故で炎上、爆発する危険がある。
解決策
水素タンクへのセンサー搭載:事故の際に加速度センサーが衝撃を感知し、バルブを閉じてタンクからの水素供給を停止させる。
今後の展望
ハイブルッド者の燃料代と同等以下の燃料価格の実現、水素ステーションの普及が求められる。
地球温暖化の原因となるCO2の排出削減は重要な課題である。
水素はエネルギー利用時にCO2を排出しないことから注目されている。
そのため、地球温暖化対策として水素社会の普及が期待されている。