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(技術士キーワード)光センサ

2022年12月27日

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概要

 受光部を構成する物質と入射した光の相互作用を検出するデバイスのことをいいます。

 光センサの検出方式は、
 ①入射光によって励起された自由電子や正孔を電流や電圧として検出する量子形
 ②物質中で失われた入射光のエネルギーを熱として検出する熱形
に大別されます。

検出方式

透過形

 投光器と受光器を対向に設置し、検査体が光を遮ると、受光器が受ける光量を利用した検出方法。

 検出距離が数cm〜数十mであり、検出距離が長くても動作が安定している。

反射形

拡散反射形

 投受光器が一体となっており、投光部から放出された光が検査体にあたると、検査体から反射した光が受光部に入り、受光量が増加する。

 この増加分をとらえて検出する方法。

回帰反射形

 投受光器が一体となっており、対向に反射板を設置する。

 投光部から放出された光は、反射板で反射して受光部に戻ってくるが、検査体で光が遮られると、受光量が減少する。

 この減少分をとらえて検出する方法。

距離設定形

 検査体が移動する場合に用いる方法。

 検査体に光を照射して、検査帯からの反射光の角度の違いで検出する。

限定反射形

 投光部と受光部の検出エリアを限定し、センサから一定距離にある検査体のみを検出する方法。

 投光部と受光部は角度を持った構造にすることにより、それぞれの光軸の交差する限られた領域のみで検出することができる。

種類

光電子放出形

光電管

 真空あるいは不活性ガスを封入したガラス容器中に、光を受けて光電子を放出する光電面(カソード)と放出された電子を集め信号電流として取り出す電極(アノード)が設置された構造。

 光電面の材料には、仕事関数が小さいアルカリ金属を有する化合物などが用いられる。

 感光面積が大きいため、散乱光の計測に適しており、精密測光などに利用される。

光電子増倍管

 真空管内に入射窓、光電面、集束電極、電子倍増電極、陽極が設置された構造。

 光電面より放出された光電子を電界で加速して、電子倍増電極上に衝突させることにより二次電子が放出される。

光導電形

 半導体の光電効果による導電率の変化を利用したセンサ。

 特に、CdSセルは硫化カドミウムを主成分とした代表的な光導電形である。

 応答性は数十msと比較的遅いが、可視光に対する感度が高く、安価に量産でき、回路素子としても扱いやすい。

 カメラの測光素子など自然光を対象とした照度センサとして使用されていた。しかし、材料にカドミウムが含まれていることからRoHS指令など環境規制への対応で、フォトダイオードなどの代替素子への移行が進んでいる。

光起電力形

フォトダイオード

 pn接合またはpin接合からなるダイオードの一種で、物質の内部光電効果の一つである光起電力を利用した検出器。

 接合部の空乏層内、または空乏層の近傍において光子の吸収が生じると、電子ー正孔対が発生し、拡散電位したがって電子はn層へ、正孔はp層へ移動する。

 外部に負荷を接続することで、入射光の光量に応じた光電流が得られる。

 Siホトダイオードは、広いダイナミックレンジを必要とするカメラや微弱光を検出する目的に用いられている。

アバランシェフォトダイオード

 pn接合に逆バイアスを印加すると、空乏層内の電界強度はバイアスに応じて変化する。

 空乏層内の電界が高くなると、光電効果で生成されたキャリアが高速で移動し、散乱の過程で価電子を弾き出すことで新たなキャリアを生成する。

 高SN比が得られるため、光波距離計、空間伝送、シンチレータ光検出などに利用されている。

フォトトランジスタ

 バイポーラトランジスタと同様の構造を有する2端子の素子。

 エミッターコレクタ間に電圧を印加し、ベースを開放して使用する。

 ベースーコレクタ間のpn接合で、光子によりキャリアが生成され、それがベースに注入されるため、トランジスタ動作で増幅される。

特徴

 ①光の反射光や透過光を検出するため、検査体の材料に関係なく検出することができる。

 ②光の投受光で検出するため、検査体に接触することなく検出できる。

 ③光そのものが高速で移動するため、応答時間が非常に短い。

 ④検査体による光の反射率や吸収率は、投光された光の波長と検出体の色の組み合わせによって異なるため、検出体の色検出ができる。




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