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(技術士キーワード)電力貯蔵装置・技術、蓄電池

2022年12月7日

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概要

 近年、再生可能エネルギーを利用した風力や太陽光発電の導入が進んでいます。

 電力貯蔵技術は、電力供給の安定化、供給設備利用率の向上のために、余剰電力の吸収、出力の平滑化などに利用されています。

種類

二次電池

 外部からのエネルギーにより充電し、再度放電できる電池のことをいいます。
 ※一度だけ放電できる電池を、「一次電池」といいます。

 スマートフォンやパソコンなどの携帯機器の発展に合わせて、高性能・軽量コンパクト化が進んでいます。

 鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素電池、金属リチウム電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池、ナトリウムイオン電池などがあります。

二次電池の詳細はこちら

圧縮空気貯蔵(CAES)

 コンプレッサを用いて、電力需要の少ない夜間に空気を圧縮しタンクなどに貯蔵します。

 電力需要の大きい昼間などに取り出し、ガスタービンにより発電する方式をいいます。

 Compressed Air Energy Storageを略してCAESともいいます。

 蓄電容量は100MW〜1GW、貯蔵効率は60〜75%程度であり、揚水発電よりもコストが低くなります。

 貯蔵圧縮空気単体では効率的な発電は望めないものの、大量の圧縮空気を必要とするガスタービンと組み合わせることにより、有効な電力貯蔵システムを構築することができます。

 圧縮空気の貯蔵には、帯水層、廃止鉱山などが利用されています。

フライホイール

 電気エネルギーを円盤などのフライホイールの回転エネルギーに変換し、貯蔵・放出する方式をいいます。

 質量M[kg]、半径r[m]の円盤形状のフライホイールが、回転速度ω[rad/s]で回転する場合、貯蔵エネルギー量E[J]は、
  E=M×(rω)2÷4
で表すことができます。すなわち、貯蔵エネルギー料は、質量、大きさ、回転数で設計されます。

 フライホイールの荷重を支える軸受には、定期的な保守が必要となります。

超電導電力貯蔵(SMES)

 超電導コイルを利用して電気エネルギーを磁気エネルギーとして貯蔵する方式をいいます。

 Superconducting Magnetic Energy Storageを略してSMESともいいます。

 超電導コイルのインダクタンスL[H]に直流電流I[A]を流すと、コイルには磁気エネルギーとして
  E=LI2/2
が蓄えられます。

 超電導コイル、冷却システム、クエンチ検出器、交直変換器で構成されます。
 ※クエンチ:超電導状態から常電導状態への逆戻り

電気二重層キャパシタ

 電気二重層とは、2つの異なる相(固体と液体)が接触する界面で極めて短い距離を隔てて正・負の電荷が対向に配列した状態をいいます。

 この現象を利用することで、蓄電量が著しく高められたコンデンサを作ることができます。

 通常のコンデンサと二次電池の中間に位置する蓄電デバイスになります。

電気二重層キャパシタの詳細はこちら

各種方式の比較

利用エネルギー電力供給可能時間主な用途
二次電池化学数分〜数時間電気自動車
負荷平準化
携帯機器
CAES圧縮〜数時間余剰電力貯蔵
負荷平準化
フライホイール運動数分〜数十分瞬低・安定化
周波数調整
SMES磁気〜数秒瞬低
電気二重層キャパシタ電気数秒〜数分瞬低・安定化
ハイブリッド自動車
電力貯蔵方式の比較



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