概要
がいしやブッシングなどは、屋外にさられています。
そのため、台風や季節風、海沿いの地域では海風により、塩分が付着します。
塩分は、導電性物質のため、がいしやブッシングに付着すると、
①漏洩電流により、可聴雑音や電波障害が発生
②がいしの絶縁低下による漏洩電流の増加、フラッシュオーバーが発生し、送電線故障が発生
③地絡事故による瞬時電圧低下が発生
などを引き起こします。
フラッシュオーバー
送電線 → 鉄塔に電気が流れる現象。
送電線路に高電圧が生じ、がいし等で絶縁破壊が発生し、鉄塔に電流が流れる放電現象のこと。
いわゆる地絡事故をいう。
逆フラッシュオーバー
鉄塔 → 送電線に電気が流れる現象
塔脚の接地抵抗が高いと、架空地線や鉄塔電位が上昇する。
電位が上昇すると、架空地線、鉄塔腕金、がいしから送電線に電気が流れてしまう。
対策
洗浄
がいしやブッシングを水で洗浄し、表面に付着した塩分を洗い流します。
絶縁強化
耐塩がいしや長幹がいしを使用して、絶縁強度を高くします。
はっ水性物質の塗布
シリコンコンパウンドを塗布することで、塩分や水分をつきにくくする方法です。
半年から1年程度で塗り直しが必要になります。
増結
がいしの連結個数を増やすと絶縁性能が上がります。
絶縁性能を強化することが目的なので、抵抗が大きくなるよう直線接続を行います。