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(技術士キーワード)次世代パワー半導体

2022年11月8日

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概要

 一般的に、SiC半導体、GaN半導体を用いたデバイスを次世代パワー半導体といいます。

 これらの半導体は、Siに比べてバンドギャップが広いため、ワイドギャップ半導体とも呼ばれています。

 また、
  ①電子飽和速度が高いため、高速スイッチングが可能
  ②熱伝導率が高いため、高温領域(約200℃以上)で動作が可能
  ③絶縁破壊電圧が高いため、高電圧領域での動作が可能
といった特徴があります。

SiC半導体

 Si(シリコン):50%、C(炭素):50%からなるⅣ-Ⅳ族化合物半導体であり、高耐圧・低損失のパワーデバイス用材料として注目されています。

 多くのSiCタイプのうち、4H形のSiCタイプがデバイス応用に最も有望であると考えられており、開発が進められています。
 4Hとは、炭素原子が4周期で六方晶をなす結晶構造のことをいいます。

GaN半導体

 Ga(ガリウム)と窒素(N)の化合物を用いた半導体(化合物半導体)です。

 Siベースのパワー半導体よりも大きな電力を扱うことができます。

物性値の比較

 Si、SiC(4H)、GaNの物性値を以下に示します。

項目SiSiCGaN
バンドギャップ[eV]1.123.263.39
飽和速度[cm/s]1.0×1072.2×1072.7×107
絶縁破壊電界[MV/cm]0.32.83.3
熱伝導率[W/(cmK)]1.54.92.0
各半導体の物性値

問題点

 ①原子間の結合が強いため、融点が高く合成するのが難しく、結晶成長が困難
 →種結晶、下地基板の改良、結晶成長条件の最適化、結晶成長装置の改良

 ②接合材料には、スズ・銀系の鉛フリーハンダを用いているが、この固相線温度は250℃以下であり、SiCやGaN半導体の高温動作に適していない
 →銀燃結材の採用。

 ③低温から高温まで幅広い温度で使用する場合、熱膨張係数の違いにより、材料にクラックが発生し、破損する恐れがある
 →熱膨張係数の近い材料の選定




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