概要
電線の振動は、一様な微風による振動、雨天時のコロナによるコロナ振動、風・着氷雪によるギャロッピング、サブスパン振動などがある。
振動の種類と対策
微風振動
概要
比較的緩やかで一様な風が電線に直角に当たると、電線の背後にカルマン渦が生じる。
このカルマン渦により、電線に対し鉛直方向に上下相互に圧力が与えられる。
この周波数が、電線の固有振動数と一致すると、定常的に振動が発生する。
長径間で電線が軽いときや、電線張力が高いときに問題となる。
対策
①電線にアーマロッドを巻きつける
②ダンパを取り付ける
コロナ振動
概要
電線の下面に水滴が付着していると、下面の表面電位が高くなり、コロナが激しくなるとともに、荷電した水の微粒子が放出される。
電線には水滴の射出方向(下向き)の力とは反対方向(上向き)の力が働き、振動を励起する。
無風で5mm/h以上の降雨がある場合に発生することが多い。
対策
懸垂がいし連にt気筒なおもりをつけて、線路の機械的条件を変えて共振状態を生じないようにする
ギャロッピング
概要
着氷雪などによって電線の断面が非対称となり、これに電線と水平な風があたると抑揚力が発生する。
これにより自励振動が生じて電線が上下に振動する。
断面積が大きいほど、また単導体よりも多導体において発生しやすい。
また、振動が大きく、持続時間も長いので、径間短絡をお越し、最閉路が成功しても再度短絡を起こすことが多い。
対策
①ギャロッピングの発生しにくいルートの選定
②電線配列や間隔の変更
③相間スペーサの使用
④ギャロッピング防止ダンパ、ルーズスペーサの取り付け
サブスパン振動
概要
多導体に固有のもので、後流中の素導体が空気力学的に不安定になるために発生する自励振動である。
風速が数〜20m/sで発生し、10m/sを超えると振動が激しくなる。
また、地形的には樹木の少ない平坦な地や湖などの近くで発生する。
対策
①素導体間隔を適切にする
②素導体に高低差をつける
③適切なスペーサ配置を行う