概要
α線、β線、中性子線などの粒子線と、γ線、X線などの光子線に分類されます。
放射線と物質との相互作用(光電効果、レイリー散乱、コンプトン効果など)を利用して放射線を検出することができます。
種類
気体電離
①放射線がガス気体に進入
②気体中の原子などに衝突
③放射線のエネルギーを与えることで、ガスまたは物質中の原子や電子が励起
④正イオン、電子、光などが発生
⑤この変化を電気信号に変換し計測
電離箱
容器中にガスを満たし、中に2枚の電極が設置されており、電極間には電圧が印加される。
放射線が入射しないときは電流が流れず、放射線が入射されると、放射線の通った軌跡に沿ってガス元素と衝突し、電離して正イオン、電子などを生成する。
電極間には電圧が印加されているので、正イオンは−電極に、電子は+電極に移動して、電流が発生する。
この電流の大きさが放射線の強度に比例する。
比例計測管
陽極は細い線、陰極は円筒形である、電離箱と比較して高い電圧を両電極間に印加する。
電子を加速させて、原子や分子を電離するのに必要な電界強度を発生させ、陽極近傍の電界の高い領域でガス電離の増幅作用を行う。
電離箱に比べて、1〜3桁高い出力信号が得られ、γ線、β線、低エネルギーのX線の測定に適している。
ガイガー・ミュラー計測管
比例計測管と同じ構造であるが、電圧をさらに高くしている。
より高い電界を陽極付近で生成することで、ガス電離による増幅作用をさらに激しくして、雪崩現象を発生させる。
これにより、放射線が入射したときに発生する正イオン、電子の数に関係なく、一定の放電パルス電流が得られる。
固体放射線
直接変換形
①入射した放射線が半導体などの物質で相互作用
②電子、正孔が発生
③その量を計測
エネルギー弁別形半導体放射線検出器
一般的な半導体ダイオードのように、p層、空乏層、n層から構成される。ただし、空乏層幅が非常に厚く、数cmになることもある。
積分形半導体放射線検出器
Se、Cd、Teなどの半導体材料の薄い層に、X線などが入射すると、X線が材料中で相互作用を起こし、電子と正孔が生成される。
その電荷を容量に蓄積し、スイッチトランジスタにより読み出し、一定時間の放射線の積分料を検出する。
間接変換形
①放射線を物質に入射
②放射線との相互作用により、光が物質中に発生
③その光を光検出器で計測
シンチレーション検出器
物質に放射線が入射すると、物質内の電子が高エネルギー状態になり、電子がもとの状態に戻るときにエネルギー差分を光として放出する。これをシンチレーション現象といい、この現象を起こす物質をシンチレータという。
γ線をシンチレータによって吸収し、光を発生させて、その光を光電子倍増管により検出する。
半導体放射線検出器
アモルファスシリコン、単結晶シリコンなどの半導体pn接合などの光検出器と、読出し回路をシンチレータと一体化して、一つの装置とする。
X線の検出では、GOS、CsIなどのシンチレータを薄いシートにして、放射線がシンチレータに入射した後、シンチレータ中で発行した光を半導体検出器で検出する。