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(技術士キーワード)IGBT

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概要

 MOSFETとバイポーラトランジスタを複合化することで、両者の良い面を利用するために開発された素子のことをいいます。

 Insulated Gate Bipolar Transistor(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)の頭文字からIGBTと呼ばれています。

 端子は、ゲート(G)、コレクタ(C)、エミッタ(E)の3端子構造です。

原理

 ここでは、Nチャネル型IGBTの動作原理を示します。Pチャネル型は、Nチャネル型と反対の動作を行います。

 ①ゲート-エミッタ間にゲートしきい値電圧以上の順バイアス(VGE)を印加する。

 ②ゲート酸化膜直下のMOSチャネル領域が、p形からn形に反転する。

 ③これにより、導通可能状態となる。

特徴

IGBTパワーMOSFETバイポーラトランジスタ
制御方法電圧制御電圧制御電流制御
駆動電力小さい小さい大きい
スイッチング速度中速高速低速
耐圧400〜1,200V50〜800V50〜800V
大電流化容易容易困難
用途高圧ブラシレスDCモータ
インバータ
低圧/高圧ブラシレスDCモータ
スイッチング電源
オーディオ
ソレノイド
各種半導体デバイスの特徴

テール電流

概要

 IGBTでは、ターンオフの後半に電流が流れている期間があります。

 この期間をテール期間といい、そのとき流れている電流をテール電流といいます。

 このテール電流によって、ターンオフ時間が長くなり、ターンオフ損失が増加します。

原理

 ドリフト層に蓄積された少数キャリアをターンオフ時に排出する必要があります。

 ターンオフ時における少数キャリアの排出は、その初期過程は外部回路に対して行われますが、IGBTのコレクター・エミッター間電圧VCEが立ち上がった後(空乏層が拡がった後)は、内部の再結合電流として排出されます。

 これがテール電流です。

 大きなVCEが印加された状態でのコレクター電流でありスイッチング損失を大きくする要因のひとつになります。

対策

 ①少数キャリアのライフタイムを短くする

 ②コレクタからのホール注入量を抑制する




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