概要
石炭をガス化炉内の加圧、高温の条件下で部分酸化することにより、一酸化炭素、水素を主成分とした可燃性ガスに転換させます。
石炭に由来する窒素化合物、硫黄化合物、ダストなどの不純物をガス精製プロセスで除去し、LNGと同様にガスタービンコンバインドサイクルを駆動する燃料として使用する発電方式のことをいいます。
Integrated coal Gasification Combined Cycleを略して、IGCCともいいます。
コンバインドサイクル発電も参考にご覧ください。
構成
空気分離設備
ガス化プロセスで必要となる酸素や窒素を空気から製造する装置
ガス化炉設備
①石炭を細かく砕いて、窒素とともにガス化炉へ送る
②ガス化炉内で石炭を高温燃焼し、ガス化反応に必要な高温熱源を発生させる
③熱交換器では石炭ガスの熱を利用し、蒸気を発生させる
④ガス化炉の出口では、ガス化しきれなかった未燃焼物を回収装置で回収し、再びガス化炉に投入する
ガス精製設備
①石炭ガス中の硫黄化合物などの不純物を水や薬液を使用して段階的に取り除く
②石炭ガス中の硫黄化合物を変換器で硫化水素に変換する
③ハロゲン、アンモニアなどの微量成分は、水洗いして除去する
④硫化水素はアミン溶液に吸収させて取り除く
⑤硫化水素を吸収したアミン溶液は、吸収液再生塔にて硫化水素を分離させ、燃焼させたのち、排煙脱硫装置で回収する
複合発電設備
詳細は、コンバインドサイクル発電をご覧ください。
特徴
①空気分離設備の所要電力により、送電端効率はLNGコンバインドサイクル発電より低下するが、従来の汽力発電に比べて熱効率が高く、二酸化炭素排出量の削減が期待されている。
②ガスタービン燃焼前の石炭ガス化ガスから二酸化炭素を分離回収することが可能なため、従来の汽力発電に比べて二酸化炭素回収に必要なエネルギーが低い
③ガス精製プロセスで窒素化合物、硫黄化合物、ダストを除去するので、これらの排出量を低減することができる。