不思議な「数」の世界。
今回は、完全数について紹介します。
完全数とは?
定義
自身以外の正の約数の総和が、自身に一致する数のことを言います。
例①
「6」は完全数である。
6の正の約数は、1、2、3、6。自身(=6)以外の正の約数は、1、2、3。これらを足すと、1+2+3=6で自身(=6)と一致する。
例②
「28」は完全数である。
28の正の約数は、1、2、4、7、14、28。自身(=28)以外の正の約数は、1、2、4、7、14。これらを足すと、1+2+4+7+14=28で自身(=28)と一致する。
2022年9月現在、完全数は51個発見されており、それらはすべて偶数です。
未解決問題
完全数は無数にあるか?
現在51個しか発見されていない完全数ですが、完全数が無限に存在するかどうかは、誰にもわかっていません。
奇数の完全数は存在するか?
現在発見されている完全数はすべて偶数ですが、奇数の完全数が存在するかどうかは、誰にわかっていません。
メルセンヌ素数との関係
メルセンヌ数とは?
メルセンヌ数とは、nを正の整数としたときに、2n-1で表される数のことをいう。
例①
「7」はメルセンヌ数である。n=3とすると、2n-1=23-1=7となるため。
例②
「31」はメルセンヌ数である。n=5とすると、2n-1=25-1=31となるため。
メルセンヌ素数とは?
メルセンヌ数が素数であるとき、メルセンヌ素数という。
例①
「7」はメルセン素数数である。n=3とすると、2n-1=23-1=7となり、「7」は素数であるため。
例②
「15」はメルセンヌ数であるが、メルセンヌ素数ではない。n=4とすると、2n-1=24-1=15となりメルセンヌ数となるが、「15」は素数でないため。
メルセンヌ素数と完全数との関係
2n-1が素数(=メルセンヌ素数)ならば、2n-1×(2n-1)は完全数である。
これは、紀元前3世紀頃のユークリッド原論で証明されている。
51番目の完全数
51番目の完全数は、2018年に発見されました。この完全数は、4900万桁以上もあるようです。
読者の皆様、ぜひ52番目の完全数を探してみませんか?
完全数についてもっと知りたい方は、以下の書籍を読んでみてください。