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(技術士キーワード)再生可能エネルギー

2022年10月28日

 再生可能エネルギーは、非常に幅広いテーマです。

 ここに記載する内容はあくまで一例です。

 より詳しく確認したい方は、書籍やインターネットで確認してください。

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再生可能エネルギー

概要

 再生可能エネルギーとは、資源に限りのある化石燃料とは異なり、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇せず繰り返し利用できるエネルギーのことです。

 発電時に地球温暖化の原因となるCO2を排出しないため、環境にやさしいエネルギー源です。

法律による定義

 再生可能エネルギーは、エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)に定義の記載があります。

エネルギー供給構造高度化法 第2条3項
 この法律において「再生可能エネルギー源」とは、太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるものをいう。

 この政令とは、エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律施行令のことをいいます。

政令 第4条
 法第2条第3項の政令で定めるものは、次のとおりとする。
 1 太陽光
 2 風力
 3 水力
 4 地熱
 5 太陽熱
 6 大気中の熱その他の自然界に存する熱
 7 バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの)

再生可能エネルギーの種類

 政令に記載のある再生可能ネルギーの概要・課題を記載します。

太陽光

 太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。

 日本における導入量は、近年着実に伸びており、2016年度末累積で3,910万kWに達しました。太陽光発電導入の実績では、中国、ドイツとともに世界をリードしています。

課題

 気候条件により発電出力が左右されること。

 また、導入コストも次第に下がってはいるものの、今後の更なる導入拡大のため、低コストに向けた技術開発が重要なこと。

風力

 風のエネルギーを電気エネルギーに変えるのが風力発電です。

 欧米諸国に比べると導入が遅れているものの、2000年以降導入件数は急激に増え、2016年度末で2,203基、累積設備容量は335.7万kWまで増加しています。

課題

 世界では風力発電の発電コストは急速に低下していますが、日本の発電コストは高止まっていること。

 また、系統制約、環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストが発生すること。

水力

 水資源に恵まれた日本では、発電への利用も昔から盛んで、国内でまかなうことのできる、貴重なエネルギー源となっています。

 水力発電といえば大きなダムを想像しますが、近年は中小水力発電の建設が活発化しています。

 中小水力はさまざまな規模があり、河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。

 すでに開発ずみの大規模水力に比べて、まだまだ開発できる地点が多く残されており、今後の更なる開発が期待されます。

課題

 事業の開始前に河川流況の長期にわたる調査が必要であり、開発初期におけるリスクが大きいこと。

 環境への影響の理解や水利権の調整など地域住民等の理解促進が不可欠であること。

 未開発地点は奥地かつ小規模なため、開発済み地点とくらべてコストが高いこと。

地熱

 日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。

 本格的な地熱発電所は1966年に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開されています。

 総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。

課題

 地熱発電所の性格上、立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が必要なこと。

 地熱の直接利用の開発が必要なこと。

太陽熱

 太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖め給湯や冷暖房などに活用するシステムです。

 機器の構成が単純であるため、導入の歴史は古く実績も多くなっています。

課題

 気候条件により発電出力が左右されること。

 膨大なエネルギーを生み出すためには、広い土地が必要となること。

その他の熱

雪氷熱利用
 冬の間に降った雪や、冷たい外気を使って凍らせた氷を保管し、冷熱が必要となる時季に利用するものです。
 寒冷地の気象特性を活用するため、利用地域は限定されますが、資源は豊富にあることから注目される取組です。

温度差熱利用
 地下水、河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギーのことをいいます。
 夏場は水温の方が温度が低く、冬場は水温の方が温度が高い。
 この、水の持つ熱をヒートポンプを用いて利用したものが温度差熱利用です。
 冷暖房など地域熱供給源として全国で広まりつつあります。

空気熱利用
 ヒートポンプを利用することにより、空気から熱を吸収することによる温熱供給や、熱を捨てることによる冷熱供給ができる再生可能エネルギー源です。
 空気熱を利用した設備としてヒートポンプ給湯器や空調用エアコン等があります。

バイオマス

 バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称のことをいいます。

 バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。

 技術開発が進んだ現在では、様々な生物資源が有効活用されています。

課題

 資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる小規模分散型の設備になりがちになること。

FIT制度

概要

 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。

 電力会社が買い取る費用の一部を電気をご利用の皆様から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えていきます。

 この制度により、発電設備の高い建設コストも回収の見通しが立ちやすくなり、より普及が進みます。

対象エネルギー

 「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5つのいずれかを使い、国が定める要件を満たす事業計画を策定し、その計画に基づいて新たに発電を始められる方が対象です。

 発電した電気は全量が買取対象になりますが、住宅の屋根に載せるような10kW未満の太陽光の場合やビル・工場の屋根に載せるような10~50kWの太陽光の場合は、自分で消費した後の余剰分が買取対象となります。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

 固定価格買取制度で買い取られる再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用は、電気の使用者から広く集められる再エネ賦課金によってまかなわれます。

 再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、再エネ賦課金は、毎月の電気料金とあわせていただいています。






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