乗法公式と因数分解は、中学数学の文字式の学習を一歩進めた単元です。
展開では、かっこを外して式を整理します。一方、因数分解では、式をかっこの形に戻します。
この2つは逆の操作になっているため、どちらか一方だけを覚えるのではなく、展開と因数分解のつながりを理解することが大切です。
また、乗法公式と因数分解は、方程式や二次方程式、関数、入試問題にもつながります。公式をただ暗記するだけでなく、「どの形に当てはまるか」を見分ける力をつけていきましょう。
このページで学ぶこと
このページでは、中学数学で学ぶ乗法公式と因数分解について、基本の考え方を整理します。
乗法公式では、同じ形の計算を速く正確に行うための公式を学びます。因数分解では、式をかけ算の形に直す考え方を学びます。
どちらも、文字式の計算をもとにした単元です。文字式の計算が不安な場合は、先に文字式の復習をしておくと理解しやすくなります。
このページで学ぶこと
- 展開と因数分解の違い
- 乗法公式の基本
- 共通因数でくくる考え方
- 公式を使った因数分解
- よくある計算ミス
- どのレベルまで復習すればよいか
乗法公式と因数分解が苦手になる主な原因
乗法公式と因数分解が苦手になる原因の多くは、公式そのものを覚えていないことだけではありません。
実際には、かっこの外し方、符号の扱い、同類項の整理、共通因数の見つけ方でつまずくことが多いです。
特に因数分解では、「どの公式を使うのか」を見分ける必要があります。そのため、公式を暗記するだけでなく、式の形を見る練習が必要です。
また、乗法公式と因数分解は文字式の計算が土台になります。文字式の基本計算があいまいなままだと、この単元でもミスが増えやすくなります。
乗法公式と因数分解が苦手になりやすい原因
- かっこの外し方があいまい
- 符号のミスが多い
- 同類項をまとめるところで間違える
- 共通因数を見落とす
- どの公式を使えばよいか判断できない
- 展開と因数分解の違いが分からない
展開と因数分解の違い
展開とは、かっこのある式を計算して、かっこのない形に整理することです。
たとえば、(x+2)(x+3) のような式を計算して、x²+5x+6 のような形にするのが展開です。
一方、因数分解とは、式をかけ算の形に直すことです。
たとえば、x²+5x+6 を (x+2)(x+3) のような形に直すのが因数分解です。
つまり、展開と因数分解は逆の操作です。展開だけ、因数分解だけを別々に覚えるのではなく、行ったり来たりできるようにすることが大切です。
乗法公式で大切なルール
乗法公式は、よく出る展開の形をまとめたものです。
毎回すべての項をかけ合わせても計算できますが、公式を使うと速く正確に計算しやすくなります。
ただし、公式は形を見分けて使うことが大切です。式の見た目だけで判断せず、何と何をかけているのかを確認しましょう。
特に、(a+b)²、(a-b)²、(a+b)(a-b) の違いは重要です。符号や2abの部分でミスが出やすいので、途中式を省略しすぎないようにしましょう。
乗法公式で大切なこと
- 公式の形を覚える
- どの形に当てはまるかを見分ける
- 符号を確認する
- 2abの項を忘れない
- 暗算に頼りすぎず、途中式を書く
因数分解で大切なルール
因数分解では、まず共通因数がないかを確認します。
共通因数とは、すべての項に共通して含まれている数や文字のことです。共通因数がある場合は、先にくくり出すことが基本です。
次に、式の形を見て、乗法公式に当てはまるかを考えます。
因数分解は、公式を覚えるだけではなく、「この式はどの形に近いか」を判断する力が必要です。すぐに答えを出そうとせず、項の数や符号、定数項に注目しましょう。
因数分解で大切なこと
- 共通因数がないか確認する
- 項の数を見る
- 符号を確認する
- 乗法公式に当てはまるか考える
- 展開して元に戻るか確認する
乗法公式と因数分解でよくあるミス
乗法公式と因数分解では、答えの形が似ているため、少しのミスで大きく点を落としやすくなります。
特に多いのは、符号のミスです。マイナスを含む式では、途中式を書かずに計算すると間違えやすくなります。
また、因数分解では、共通因数を見落とすミスもよくあります。公式を使う前に、まず全体を見て共通しているものがないか確認しましょう。
計算ミスが多い人は、公式を使ったあとに、展開して元の式に戻るかを確認する習慣をつけると効果的です。
よくあるミス
- 符号を間違える
- 2abの項を忘れる
- 同類項をまとめ間違える
- 共通因数を見落とす
- 公式の形を混同する
- 因数分解したあとに確認しない
計算ミスが多い場合は、公式だけでなく、途中式の書き方も見直しましょう。
特に、符号・かっこ・同類項の整理は、乗法公式と因数分解で差がつきやすいポイントです。
乗法公式と因数分解はどこまでできればよい?
乗法公式と因数分解は、学力や目標によって復習する範囲を分けると進めやすくなります。
まずは、基本的な展開と共通因数でくくる因数分解を確実にできるようにしましょう。
次に、乗法公式を使った展開や因数分解を練習します。標準問題では、どの公式を使うかを判断する力が必要です。
入試応用では、式の形を変えたり、方程式や関数と組み合わせて考えたりする問題も出てきます。公式を覚えるだけでなく、使いどころを判断できるようにしましょう。
乗法公式と因数分解の復習目安
【基礎確認】
・展開と因数分解の違いが分かる
・基本的なかっこの展開ができる
・共通因数でくくる因数分解ができる
【標準練習】
・乗法公式を使って展開できる
・公式を使った因数分解ができる
・式の形を見て使う公式を判断できる
【入試応用】
・複雑な式を整理できる
・方程式や関数につながる問題に対応できる
・条件整理が必要な問題に挑戦できる
練習プリントで復習する
乗法公式と因数分解は、見るだけで分かった気になりやすい単元です。
公式を覚えたあとは、実際に手を動かして、展開と因数分解をくり返し練習することが大切です。
基礎確認プリントでは、基本的な展開や共通因数の確認を行います。
標準練習プリントでは、乗法公式を使う問題や、公式を見分ける問題に取り組みます。
入試応用プリントでは、式の変形や方程式につながる問題など、入試で差がつきやすい内容に挑戦します。
基礎確認プリント
展開と因数分解の基本を確認するためのプリントです。
かっこの展開、共通因数でくくる因数分解を中心に復習します。
標準練習プリント
乗法公式を使った展開や、公式を使った因数分解を練習するプリントです。
式の形を見分ける力をつけます。
入試応用プリント
複雑な式の整理や、方程式につながる因数分解に取り組むプリントです。
入試で差がつく問題に挑戦します。
関連ページ
乗法公式と因数分解を理解するには、前後の単元とのつながりを意識することが大切です。
文字式の計算が不安な場合は、先に文字式を復習しましょう。かっこの外し方や同類項の整理ができると、乗法公式も理解しやすくなります。
また、因数分解は方程式、特に二次方程式の学習につながります。式をかけ算の形に直す考え方は、今後の数学でも何度も使います。
文字式の復習へ
かっこの計算や同類項の整理が不安な場合は、先に文字式を復習しましょう。
方程式の復習へ
因数分解は、この先の二次方程式にもつながります。式を変形する考え方を確認しておきましょう。
計算ミスが多い人へ
符号、かっこ、同類項の整理でミスが多い場合は、計算ミス対策のページも確認しましょう。
まとめ
乗法公式と因数分解は、文字式の計算を発展させた大切な単元です。
展開はかっこを外す操作、因数分解は式をかけ算の形に直す操作です。この2つが逆の関係になっていることを理解すると、公式の意味も分かりやすくなります。
まずは、基本的な展開と共通因数でくくる因数分解を確実にしましょう。
そのうえで、乗法公式を使った展開や因数分解に進み、どの公式を使うかを見分ける練習をしていきましょう。
乗法公式と因数分解は、方程式や二次方程式、入試問題にもつながります。公式を暗記するだけで終わらせず、式の形を見て判断する力を身につけていくことが大切です。